※本プレスリリースは、8月7日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
nipocalimabは現在開発中であり、現時点でいずれの国においても承認されておりません。
早発型重度胎児新生児溶血性疾患のリスクが高い妊婦を対象としたnipocalimab(ニポカリマブ)の革新的な試験結果が「The New England Journal of Medicine」に掲載
ニポカリマブは重度の胎児貧血の発症を遅延又は予防し、第II相臨床試験(UNITY試験)参加者の54%が、子宮内胎児輸血(IUT)を必要とせずに妊娠期間32週以降に新生児を出産した
現在、第III相臨床試験(AZALEA試験)の患者の組み入れ・登録中:ニポカリマブは、重度の胎児新生児溶血性疾患(HDFN)のリスクを有する妊婦に向け、HDFNに対する臨床開発中の唯一の治療薬候補である
ペンシルベニア州スプリングハウス(米国時間2024年8月7日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは、本日、早発型重度(early onset severe: EOS)胎児新生児溶血性疾患(hemolytic disease of the fetus and newborn: HDFN)のリスクを有する同種免疫感作aの妊婦を対象としたニポカリマブの第II相非盲検UNITY 試験の結果が、「The New England Journal of Medicine (NEJM)」誌に掲載されたことを発表しました。本試験では、ニポカリマブを投与された妊婦の54%が、子宮内胎児輸血(IUT)を必要とせずに妊娠期間(GA)32週以降に新生児を出産し、主要評価項目を達成しました1。現在ニポカリマブは、 HDFNに対して臨床開発が進められている唯一の治療薬候補です。HDFNは、妊婦と胎児の血液型不適合により発症し、胎児又は乳児の命に関わる重度の貧血を来たす可能性がある重篤な希少疾患です2。本試験の結果によると、ニポカリマブは、EOS HDFNの再発リスクが高い妊娠において、出生前治療を必要とする重度の胎児貧血の発症を遅延又は予防し、IUTの必要性を低減することが示されました1 。
本試験の治験責任医師であり、テキサス大学オースティン校デル・メディカル・スクールの総合胎児ケアセンター共同ディレクター兼女性健康学部教授を務めるKenneth J. Moise Jr.(M.D.)bは、次のように述べています。「NEJM誌に掲載された第II相試験のデータは、ニポカリマブが重度HDFNの既往歴がある妊婦に対する治療薬となる可能性を示し、より大規模な第III相試験においてさらなる研究開発を進めるための道を切り拓くものであり、勇気づけられるものです。重度HDFNを発症した場合、多くの患者さんの予後は不良で、現在の標準治療は、IUTを繰り返したり、追加の胎児治療を行うなど、専門医療へのアクセスが必要かつ胎児の生命を脅かすリスクを伴うものであり、患者さんに大きな負担を与えるものです。ニポカリマブが承認されれば、HDFNのリスクが高い妊娠に対する初の非外科的薬物治療法となります3」
第II相UNITY試験は、EOS HDFNの再発リスクが高い妊婦を対象として、14週から35週までのニポカリマブ静脈内投与を評価する、多施設共同、非盲検、単群試験です1 。本試験の主要評価項目は、IUT を実施しないGA 32週以降の新生児出産です。本試験の結果、これまでのベンチマークの10%に対し、妊婦の54%(13例中7例)で主要評価項目を達成しました(95%信頼区間[CI]、25.1-80.8;P<0.001)1 。NEJM誌での報告には、 過去の妊娠cとUNITY試験に参加した妊娠の転帰を比較評価した新しいデータが含まれています1 。その結果、試験に参加した妊婦において、新生児出産の割合が高く(92% vs 38%)、IUTを必要とする参加者が少なく(85% vs 46%)、初回IUT実施時のGA中央値が遅く(27週1日 vs 20週4日)、 出産時のGA中央値が遅い(36週4日 vs 23週6日)ことが明らかになりました1。さらに、 本試験に参加した妊婦のうち、7例が過去の妊娠で胎児水腫の既往を有していましたが、本試験の妊娠では胎児水腫の発症は認められませんでした1。
UNITY試験において最も頻繁に報告された有害事象は、妊娠及びHDFNで一般的に認められるものと一貫していました1。 重篤な副作用は、絨毛膜下血腫及び胎盤早期剥離を含むHDFNまたはその他の妊娠関連疾患と一貫していました1。ニポカリマブの投与を受けた母体の児に見られた感染症や疾患は、新生児期や乳児期に一般的に認められるものと一貫していました1 。本試験において、母体又は新生児・乳児の死亡は認められませんでした1。IUTに伴う合併症に関連した胎児死亡が1例認められました1。
UNITY試験では、ニポカリマブの良好なベネフィット・リスクプロファイルを裏付ける有望な有効性及び安全性の結果が示されました1。これは、重度HDFNの治療薬としてのニポカリマブのさらなる臨床開発を支持するものです1。現在、ニポカリマブ の有効性と安全性をさらに評価するため、AZALEA第Ⅲ相ピボタル試験を実施しており、過去の妊娠で重度HDFNの既往歴があり、重度HDFNのリスクを有する妊婦を組み入れ・登録中です4。さらにジョンソン・エンド・ジョンソンは、HDFNの血小板反応と考えられている胎児・新生児同種免疫性血小板減少症(FNAIT)を対象としたニポカリマブの第III相試験を実施しています5。FNAITは、妊婦の免疫システムが胎児又は新生児の血小板を攻撃することによって生じる、妊娠による同種免疫性疾患であり、血小板減少と出血のリスクを高め、児の生命に危険を来たす可能性があります6。
Johnson & Johnson Innovative MedicineのVice Presidentであり、Autoantibody Diseases and Maternal-Fetal Immunology Disease Area LeaderでもあるKatie Abouzahr(M.D.)は、次のように述べています。「私たちは、同種抗体に起因する母体・胎児疾患の治療に有効であり、証明された安全性プロファイルを有する非外科的薬物治療法の開発に注力しています。NEJM誌に掲載されたデータは、現在開発中のニポカリマブが、他に治療法のない、重篤かつ生命を脅かす希少疾患である重度HDFNにおける高いアンメット・メディカル・ニーズを満たす可能性を強調するものです」
用語の説明:
a. 同種免疫感作:遺伝子学的に異なる細胞や組織に曝露された際に起こる外来抗原に対する免疫反応
b. Kenneth Moise博士はヤンセンのコンサルタントを務めていますが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません
c. 過去の妊娠: UNITY第Ⅱ相試験の適格条件と同じHDFNを発症した前回の妊娠
UNITY試験(NCT03842189)について
UNITYは、早発型重度(EOS)HDFNのリスクが高い妊婦を対象に、ニポカリマブの安全性、有効性、薬物動態及び薬力学を評価するためにデザインされた国際多施設共同、非盲検第II相臨床試験です7。本試験には、重度の胎児貧血、胎児水腫又はGA 24週以前の死産の既往歴があり、EOS-HDFNのリスクが高い単胎妊娠のRhD(D)またはKell(K)の同種免疫感作の妊婦が登録されました1。主要評価項目は、全妊娠期間を通じて子宮内胎児輸血(IUT) を必要としないGA 32週以降の新生児出産でした1。 安全性は、 登録された母体13例では出産後24週間、児では出生後96週間まで追跡調査を行いました。参加者には、1週間に1回の静脈内投与を行いました1。本試験では、ニポカリマブを投与された妊婦の54%が、全妊娠期間を通じてIUTを必要とせずにGA 32週以降に新生児を出産し、主要評価項目を達成しました1。
胎児新生児溶血性疾患(HDFN)について
HDFNは、母体と児の間の血液型不適合妊娠によって生じる希少疾患(重症型は超希少疾患)です8。母体の免疫システムによって胎児の赤血球に対して産生された同種抗体が、妊娠中に胎盤を通過して胎児の赤血球を攻撃し、胎児貧血や、出生後の新生児に新生児高ビリルビン血症や貧血を引き起こします2 。HDFNの症状は、軽度の黄疸から、神経毒性を伴う新生児高ビリルビン血症、侵襲的治療を必要とするような命に関わる胎児貧血まで、多岐にわたります9。妊娠に関連した同種免疫感作により、不適合妊娠をする度により早期のGAで胎内発症する可能性があり、重篤な転帰のリスクが高まります10。重度HDFNのリスクが高い妊娠に対して、現時点で承認を受けている非外科的薬物治療法はありません3。重度HDFNを発症した妊娠では、専門医療機関で専門医によって行われる侵襲的かつ技術的に複雑な外科的治療である子宮内胎児輸血(IUT) を繰り返し必要とする場合があり、このような処置は胎児死亡率や早産率の上昇に関連します11,12,13。HDFNで最も治療が困難とされる症例は、妊娠期間(GA)24週以前に発症し、胎児・新生児の高い罹患率及び死亡率をもたらすEOS HDFNです。American Journal of Obstetrics and Gynecology誌によると、米国では、毎年10万件の妊娠のうち約80件がHDFNを発症していると推定されています14。
ニポカリマブについて
ニポカリマブは現在開発中のモノクローナル抗体であり、高い親和性で結合してFcRnを阻害し、循環免疫グロブリンG(IgG)抗体の濃度を下げつつ、広範囲な免疫抑制を引き起こさずに免疫機能も維持するよう設計されています。その対象には、3つの重要な自己抗体疾患である「希少な自己抗体疾患」、母体の同種抗体が介在する「母体胎児疾患」および「比較的罹患率の高いリウマチ性疾患」において複数の疾患の根本的な原因となっている自己抗体や同種抗体が含まれます10,15,16,17,18,19,20,21,22。また、胎盤でIgGとFcRnの結合を阻害することで、母体の同種抗体が胎盤を介して胎児に移行することを防げるとも考えられています23,24。
米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)は、ニポカリマブに対して以下の重要な指定を行っています。
- 2019年7月に胎児新生児溶血性疾患(HDFN)および温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)、2021年12月に全身型重症筋無力症(gMG)、2024年3月に胎児・新生児同種免疫性血小板減少症(FNAIT)に対するFast Track指定を受けました
- 2019年12月にwAIHA、2020年6月にHDFN、2021年2月にgMG、2021年10月に慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、2023年12月にFNAITに対するオーファンドラッグ指定を受けました
- 2024年2月にHDFNに対するブレークスルーセラピー指定を受けました
- 欧州医薬品庁より2019年10月にHDFNに対するオーファンドラッグ指定を受けました
Johnson & Johnson について
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。 Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、および網膜疾患領域における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。新しいJohnson & Johnson Innovative Medicineブランドとともに、私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
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