※本プレスリリースは、10月15日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
nipocalimabは現在開発中であり、現時点でいずれの国においても承認されておりません。
nipocalimab(ニポカリマブ)が青年期の全身型重症筋無力症患者さんを対象とした第II/III相試験において持続的症状コントロールを示す
自己抗体陽性の青年期(12~17歳)の患者さんを対象に、FcRn阻害剤として初めて24週間にわたる持続的な症状コントロールを示し、ニポカリマブの試験対象者を拡大した
ジョージア州サバンナ(2024年10月15日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは本日、抗AChRa抗体陽性の青年期(12~17歳)の全身型重症筋無力症患者さんを対象としたニポカリマブの第II/III相Vibrance-MG試験から得られた良好な結果を発表しました。ニポカリマブと標準治療の併用群(以下、ニポカリマブ+標準治療)を受けた患者さんは、持続的な症状コントロールを達成しました。この持続的症状コントロールは、主要評価項目である免疫グロブリンG(IgG)の24週間にわたるベースラインからの減少と、副次評価項目であるMG-ADLbスコアおよびQMGcスコアの改善に基づくものです。これらの第II/III相データは、米国神経筋電気診断学会(AANEM)年次総会での米国重症筋無力症研究財団(MGFA)の科学セッションで口頭発表されました(抄録番号MG 100)。この年次総会で、ジョンソン・エンド・ジョンソンは25の抄録を発表しました。
UCSF Benioff Children’s HospitalのClinical Services for Child NeurologyのDirectorおよびDystrophy ClinicのDirectorであるJonathan Strober, M.D.dは、次のように述べています。「Vibrance-MG試験の結果から、ニポカリマブが12~17歳の青年期の重症筋無力症患者さんにおいて有望であることが示されました。これらの結果は、青年期の患者さんにおいてIgGが有意に約70%減少すること、そして成人患者さんを対象としたVivacity-MG3試験と一貫した臨床効果がもたらされたことを示しています。米国では現在、このような青年期の患者さんに対して承認されている先進治療法が存在しないため、今回のような好ましい結果が得られたことに勇気づけられます」
重症筋無力症の新規症例の約10%が青年期(12~17歳)に診断され、小児患者さんでは重症度が高く、43%が生涯に5回以上入院し、46%が1回以上集中治療室に入院し、68%が増悪期を経験することを示す調査結果があります1,2,3,4。
ニポカリマブ+標準治療は、本試験の主要評価項目である血清総IgG濃度の低下(−69%)と、疾患活動性の指標である2つの副次評価項目(MG-ADLおよびQMG)を達成しました5,e。5人中4人の患者さんが、治療期間終了までに、症状発現の最小化(MG-ADLスコアが0~1)を達成しましたf,g。ニポカリマブは6ヵ月間にわたって良好な忍容性を示し、その忍容性は成人患者さんを対象としたVivacity-MG3試験の結果と一貫するものでした。重篤な有害事象及び中止につながる有害事象もみられませんでした。
初めて発表される今回の青年期の患者さんを対象とした非盲検第II/III相試験の結果は、重症筋無力症成人患者さんを対象としたニポカリマブの検証的試験の結果と一貫しています。ニポカリマブは、標準治療を受けた成人患者さんを対象に、6ヵ月間にわたり継続的に併用して投与(2週ごと1回)した結果、プラセボと標準治療の併用群(以下、プラセボ+標準治療)よりもMG-ADLが改善し、持続的疾患コントロールを示した初めてのFcRn阻害剤です。
Johnson & Johnson Innovative MedicineのNeuroscienceのExecutive Medical DirectorであるSindhu Ramchandren, M.D.は、次のように述べています。「Vibrance-MG試験のデータは、ニポカリマブの臨床プロファイルを拡大し、新たな治療法を必要としている青年期の重症筋無力症患者さんに対する本剤の可能性を強調するものです。私たちは、重症筋無力症のような自己免疫性神経疾患に対するイノベーションの開発に尽力し、これらの疾患を有する患者さんの生活の質の向上を高めることを目指しています」
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、今年の初めに、米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)に、ニポカリマブのgMG治療薬としての承認を求める申請書を提出したことを発表しました。
用語の説明:
a. 本試験の対象者は、血液検査で抗アセチルコリン受容体(抗AChR)抗体または抗筋特異的キナーゼ(抗MuSK)抗体が陽性であった患者さんです。
b. MG-ADL(Myasthenia Gravis – Activities of Daily Living[重症筋無力症-日常生活動作])は、日常生活動作に影響を及ぼす症状を患者さんの想起に基づいて迅速に臨床評価するものです。合計スコアは0~24で、スコアが高いほど症状の重症度が高いことを示します。
c. QMG(Quantitative Myasthenia Gravis[定量重症筋無力症])は、筋力低下を通じて重症筋無力症の重症度を測る臨床医による13項目の評価です。QMGスコアの合計は0~39で、スコアが高いほど重症度が高いことを示します。
d. Dr. Jonathan Stroberは、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めています。Dr. Jonathan Stroberは、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません。
e. ニポカリマブによる治療において、総血清IgG濃度のベースラインから第24週時までの平均変化率は−68.98%(標準誤差[SE] = 7.561)でした。
f. 現在のニポカリマブ+標準治療を受けた青年期の患者さんにおいて、MG-ADL尺度の平均ベースラインスコアは4.29(SE = 2.430)、QMG尺度の平均ベースラインスコアは12.50(SE = 3.708)でした。
g. 現在のニポカリマブ+標準治療を受けた青年期の患者さんにおいて、第24週時のMG-ADL尺度およびQMG尺度の平均変化量は、それぞれ−2.40(SE = 0.187)および−3.80(SE = 2.683)でした。
全身型重症筋無力症(gMG)について
重症筋無力症(MG)は、免疫系が誤って各種の抗体(抗アセチルコリン受容体[AChR]抗体、抗筋特異的キナーゼ[MuSK]抗体、抗低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質4[LRP4]抗体など)を産生する自己免疫疾患です。神経筋接合部のタンパク質を標的として、正常な神経筋シグナル伝達を遮断又は阻害することで、筋収縮を障害又は妨げます6,7。MGは世界で70万人の患者さんがいると推定されています5。重症筋無力症の新規症例の約10~15%が青年期(12~17歳)に診断されます1,2,3。若年性MG患者さんは男性よりも女性のほうが多く、米国の小児MG症例の65%以上が女性です8,9,10。
初発症状は眼症状であることが多いものの、85%以上が全身型(gMG)です。全身型重症筋無力症の症状としては、変動を伴う骨格筋の筋力低下で、四肢脱力、眼瞼下垂、複視、咀嚼困難、嚥下困難、発話困難、呼吸困難などが挙げられます5,11,12,13,14。米国には約10万人の全身型重症筋無力症患者さんがいます15。小児患者さんのような脆弱な全身型重症筋無力症集団は、治療の選択肢がより限られています3。現在、青年期の全身型重症筋無力症患者さんに対する標準治療は、成人患者さんを対象とした試験から外挿されたものです3。米国では、対症療法以外で、青年期の全身型重症筋無力症患者さんにおける全身型重症筋無力症の根本原因に対処できると考えられるFcRn阻害剤は承認されていません3。
第II/III相Vibrance-MG試験について
第II/III相Vibrance-MG試験(NCT05265273)は、全身型重症筋無力症小児患者さんにおけるニポカリマブの効果を明らかにするための進行中の非盲検試験です。スクリーニング時に米国重症筋無力症研究財団(MGFA)のクラスII~IVの全身型重症筋無力症と診断され、継続的かつ安定した標準治療で十分な臨床効果が得られていない12~17歳の患者さん7人が本試験に組み入れられています。血液検査で抗AChR自己抗体または抗MuSK自己抗体のいずれかが陽性であることが参加条件です16。本試験は、最長4週間のスクリーニング期間、24週間の非盲検実薬投与期間(ニポカリマブを2週間ごとに静脈内投与)、そして長期継続投与期間で構成されています。最終投与の8週間後に、安全性追跡調査のための評価を実施します15。本試験の主要評価項目は、全身型重症筋無力症小児患者さんにおける第24週時のニポカリマブの血清総IgG濃度に対する効果、安全性・忍容性、薬物動態です。副次評価項目は、第24週時のMG-ADLスコアおよびQMGスコアの変化量です15。
ニポカリマブについて
ニポカリマブは現在開発中のモノクローナル抗体であり、高い親和性で結合してFcRnを阻害し、循環免疫グロブリンG(IgG)抗体の濃度を下げつつ、広範囲な免疫抑制を引き起こさずに免疫機能も維持するよう設計されています。その対象には、3つの重要な自己免疫疾患である「希少な自己抗体疾患」、母体の同種抗体が介在する「母体胎児疾患」および「比較的罹患率の高いリウマチ性疾患」において複数の疾患の根本的な原因となっている自己抗体や同種抗体が含まれます17,18,19,20,21,22,23,24,25。
また、胎盤でIgGとFcRnの結合を阻害することで、母体の同種抗体が胎盤を介して胎児に移行することを防げるとも考えられています26,27。
米国食品医薬品局(FDA)および欧州医薬品庁(EMA)は、ニポカリマブに対して以下の重要な指定を行っています。
- 2019年7月に胎児新生児溶血性疾患(HDFN)および温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)、2021年12月に全身型重症筋無力症(gMG)、2024年3月に胎児・新生児同種免疫性血小板減少症(FNAIT)に対するFast Track指定を受けました。
- 2019年12月にwAIHA、2020年6月にHDFN、2021年2月に全身型重症筋無力症、2021年10月に慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、2023年12月にFNAITに対するオーファンドラッグ指定を受けました。
- 2024年2月にHDFNに対するブレークスルーセラピー指定を受けました。
- 欧州医薬品庁より2019年10月にHDFNに対するオーファンドラッグ指定を受けました。
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