本プレスリリースは、1月23日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
ニポカリマブは現在開発中であり、現時点でいずれの国においても承認されておりません。
抗体陽性の全身型重症筋無力症の患者さんを対象とした nipocalimab(ニポカリマブ)のピボタル第III相試験の結果が 「The Lancet Neurology」誌に掲載
抗AChR抗体、抗MuSK抗体、抗LRP4抗体陽性の成人患者さんにおいて、 24週間にわたる持続的な症状のコントロールを示した初のFcRn阻害剤
ニポカリマブは、全身型重症筋無力症の原因のひとつである自己抗体の濃度を 24週間にわたり、最大75%持続的に低下させることが示された
米国食品医薬品局(FDA)は、 ニポカリマブを全身型重症筋無力症の治療薬として優先審査の対象に指定
ペンシルバニア州スプリングハウス(2025年1月23日) – ジョンソン・エンド・ジョンソン(NYSE:JNJ)は本日、現在開発中のFcRn阻害剤ニポカリマブを評価したピボタル第III相VIVACITY-MG3試験の結果が、「The Lancet Neurology」誌に掲載されたことを発表しました。この試験は、抗AChR抗体、抗MuSK抗体、抗LRP4抗体陽性の全身型重症筋無力症(gMG)成人患者さんを対象としたものです1。VIVACITY-MG3試験は主要評価項目を達成し、24週間にわたりMG-ADLa スコアにおいて、統計的に有意で臨床的に意義のある改善を示しました1。ニポカリマブは忍容性のある安全性プロファイルを示し、投与中止につながる有害事象の発現率は、プラセボ群と同程度でした(プラセボ群7.1% に対し、ニポカリマブ群5.1%)1。
イタリア・ミラノのC. Besta神経学研究所、神経免疫学・筋病理学部のCarlo Antozzi M.D.b は、次のように述べています。「ニポカリマブは、自己抗体陽性の広範なgMG成人患者さんにおいて自己抗体を含む免疫グロブリン(IgG)の濃度を下げることが、複数の臨床試験で示されてきました。VIVACITY-MG3試験の良好な結果は、ニポカリマブを通じて、この自己抗体を原因とし、日常生活に支障を来す疾患の根本的な原因に対処できる可能性をさらに裏づけるものです。『The Lancet Neurology』に今回の結果が発表され、今後の展開に期待を持つことができます。特に、抗体陽性のgMG患者さんにおいては、持続的な症状コントロールの実現かつ安全性プロファイルが証明された新たな標的治療薬が求められています」
gMGは、自己抗体を原因とする慢性的な希少疾患であり、現時点で治癒困難な疾患です。gMGは世界で約70万の患者さんがいると推定されています2,3。ヒトIgG1抗体であるニポカリマブは、これまでの臨床試験において、自己抗体疾患の根本原因のひとつである病原性IgGを含む循環免疫グロブリンG(IgG)の濃度を下げることが示されてきました1,4。今回の第III相試験結果では、投与前の総IgGの中央値がベースラインから最大75%減少しました。さらに、試験期間24週間にわたり、AChR抗体およびMuSK抗体を含む一般的な病原性IgGサブクラスの濃度の低下も認められました1。総 IgE、IgA、およびIgMに変化は認められず、病原性IgG自己抗体の減少が認められた後も、防御的な免疫機構を維持できる可能性が示されています1。
ニポカリマブと標準治療の併用群(以下、ニポカリマブ+標準治療)は、プラセボと標準治療の併用群(以下、プラセボ+標準治療)よりもMG-ADLのポイントが有意に改善しました(ベースラインから2ポイント以上改善、p=0.0213)。gMG患者さんにとって、MG-ADLの1~2点の変化は、通常に食事できることと頻繁に食べ物をのどに詰まらせることの違いや、安静時の息切れと人工呼吸器装着の違いに相当します5。
Johnson & Johnson Innovative MedicineのNeuroscienceのExecutive Medical DirectorであるSindhu Ramchandren, M.D.は、次のように述べています。「第III相VIVACITY-MG3試験の結果は、gMGなどの自己抗体を原因とする疾患に対するアプローチの研究と開発を追求する私たちの着実な取り組みを示すものです。この第III相試験の強固なデータが 『The Lancet Neurology』に発表されたこと、またニポカリマブがFDAの優先審査対象に指定されたことを嬉しく思います。gMG患者さんは大きなアンメットニーズを抱えており、IgG濃度の低下後も防御的な免疫反応を維持できる可能性がある、免疫系に選択的に作用する効果的な治療の選択肢を必要としています」
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、gMGに対するニポカリマブの使用について、2024年8月29日にFDAに生物製剤承認申請(BLA)を、同年9月11日に欧州医薬品庁(EMA)に医薬品製造販売承認申請(MAA)を提出しました。FDAは、第III相VIVACITY-MG3試験の結果に基づき、ニポカリマブを優先審査の対象に指定しました6,7。さらにニポカリマブは先日、第II相DAHLIAS試験の結果に基づき、中等度から重度のシェーグレン症候群の成人に対する治療薬として、FDAよりブレークスルーセラピーの指定を受けました8。
用語の説明:
a. MG-ADL(Myasthenia Gravis – Activities of Daily Living[重症筋無力症-日常生活動作])は、日常生活動作に影響を及ぼす症状を患者さんの報告に基づいて迅速に臨床評価する指標です。合計スコアは0~24で、スコアが高いほど症状の重症度が高いことを示します6。
b. Dr. Antozziは、ジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務め、アドバイスや講演を行っていますが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません。
全身型重症筋無力症(gMG)について
重症筋無力症(MG)は、免疫系が誤って各種の抗体(抗アセチルコリン受容体[AChR]抗体、抗筋特異的キナーゼ[MuSK]抗体、抗低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質4[LRP4]抗体など)を産生する自己免疫疾患です。神経筋接合部のタンパク質を標的として、正常な神経筋シグナル伝達を遮断又は阻害することで、筋収縮を障害又は妨げます3,9,10。MGは世界で約70万人の患者さんがいると推定されています。重症筋無力症は男女を問わず、あらゆる年齢や人種、民族において発症しますが、若い女性と高齢の男性に最も多くみられます。重症筋無力症と診断された人の中では、約半分が女性で、そのうち、5人に1人は妊娠可能な年齢でもあります。重症筋無力症の新規症例の約10~15%が青年期(12~17歳)に診断されます11,12,13。若年性MG患者さんは男性よりも女性のほうが多く、米国の小児MG症例の65%以上が女性です14,15,16。
初発症状は眼症状であることが多いものの、85%以上が全身型(gMG)です。全身型重症筋無力症の症状としては、変動を伴う骨格筋の筋力低下で、四肢脱力、眼瞼下垂、複視、咀嚼困難、嚥下困難、発話困難、呼吸困難などが挙げられます3,17,18,19,20。米国には約10万人の全身型重症筋無力症患者さんがいます21。小児患者さんのような脆弱な全身型重症筋無力症集団は、治療の選択肢がより限られています22。現在、青年期の全身型重症筋無力症患者さんに対する標準治療は、成人患者さんを対象とした試験から外挿されたものです13。米国では、対症療法以外で、青年期の全身型重症筋無力症患者さんにおける全身型重症筋無力症の根本原因に対処できると考えられるFcRn阻害剤は承認されていません13。
第III相VIVACITY-MG3試験について
第III相VIVACITY-MG3試験は、アンメットニーズの高いこの予測できない慢性疾患を対象に、持続的な有効性と安全性を評価する試験です。現在の標準治療で十分な効果が得られない(MG-ADL ≥6)、抗体陽性または抗体陰性のgMG成人患者さんを対象とし、199人(うち153人が抗体陽性者)が、24週間の二重盲検、プラセボ対照試験に参加しました23,24。患者さんは、現在の標準治療に加えてニポカリマブの静脈内投与(30 mg/kg負荷投与後、隔週で15 mg/kg)または現在の標準治療に加えてプラセボの投与に、1対1の割合で無作為に割り付けられました23。ベースライン時の人口統計学的特性は、治療群間で均衡していました(ニポカリマブ群77人、プラセボ群76人)23。主要評価項目は、抗体陽性患者さんでの、第22週、第23週、第24週にわたるベースラインからのMG-ADLスコアの平均変化量でしたa。重要な副次評価項目としては、QMGスコアの変化量が含まれました2。長期的な安全性と有効性は、現在進行中の非盲検継続試験(OLE)でさらに評価されています24。
ニポカリマブ(nipocalimab)について
ニポカリマブは現在開発中のモノクローナル抗体であり、高い親和性で結合してFcRnを阻害し、循環免疫グロブリンG(IgG)抗体の濃度を下げつつ、広範囲な免疫抑制を引き起こさずに免疫機能も維持するよう設計されています。その対象には、3つの重要な自己抗体疾患である「希少な自己抗体疾患」、母体の同種抗体が介在する「母体胎児疾患」及び「比較的罹患率の高いリウマチ性疾患」において複数の疾患の根本的な原因となっている自己抗体や同種抗体が含まれます25,26,27,28,29,30,31,32,33。
また、胎盤でIgGとFcRnの結合を阻害することで、母体の同種抗体が胎盤を介して胎児に移行することを防げるとも考えられています34,35。
FDAおよびEMAは、ニポカリマブに対して以下の重要な指定を行っています。
- 2019年7月に胎児新生児溶血性疾患(HDFN)および温式自己免疫性溶血性貧血(wAIHA)、2021年12月に全身型重症筋無力症(gMG)、2024年3月に胎児・新生児同種免疫性血小板減少症(FNAIT)に対するFast Track指定をFDAより受けました
- 2019年12月にwAIHA、2020年6月にHDFN、2021年2月にgMG、2021年10月に慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)、2023年12月にFNAITに対するオーファンドラッグ指定をFDAより受けました
- 2024年2月にHDFNに対するブレークスルーセラピー指定をFDAより受けました
- 2024年Q4にFDAより、全身型重症筋無力症の治療薬として優先審査の対象に指定されました
- EMAより2019年10月にHDFNに対するオーファンドラッグ指定を受けました
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