※本プレスリリースは、2月21日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
現在、トレムフィア®は日本国内において、潰瘍性大腸炎及びクローン病に対して未承認です。
トレムフィア®の皮下投与による導入療法のデータが発表され、トレムフィア®は潰瘍性大腸炎の導入療法において、静脈内投与又は皮下投与という2つの治療選択肢を提供する、唯一のIL-23p19阻害薬となる可能性
潰瘍性大腸炎を対象とした第III相ASTRO試験において、主要評価項目である12週目の臨床的寛解を達成し、全ての副次評価項目も達成
すべての臨床的及び内視鏡的評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められ、静脈内投与による導入療法と同様の結果が示された、IL-23阻害薬として唯一の皮下投与による導入療法に関するデータ
ペンシルバニア州スプリングハウス(米国時間2025年2月21日) – Johnson & Johnson(以下「J&J」)は、本日、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象にトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)の皮下投与による導入療法を評価した第III相ASTRO試験のデータを発表しました。このデータは、第20回欧州クローン病・大腸炎会議(European Crohn’s and Colitis Organization: ECCO)において発表されました。12週目までの本試験の結果では、すべての臨床的及び内視鏡的評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められ、米国食品医薬品局(FDA)による承認された静脈内投与による導入療法と同様の結果が示されました1。
フランス・ナンシー大学病院の炎症性腸疾患部門長であり、本試験の治験担当医師を務めるLaurent Peyrin-Biroulet, M.D., Ph.D.aは、次のように述べています。 「ASTRO試験の12週目の結果はQUASAR試験のデータを強固にするものであり、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんにおいて、グセルクマブの皮下投与による導入療法又は静脈内投与による導入療法がいずれも臨床的に意義のある結果を達成したことを示しました。寛解導入から寛解維持まで皮下投与で行われる柔軟な治療は、多くの患者さん、特に多忙でアクティブなライフスタイルを送る患者さんにとって望ましい治療選択肢となることでしょう」
12週目の時点で、以下の多重性を調整した評価項目を達成した患者さんの割合は、導入療法としてトレムフィア®400mgを皮下投与した群で、プラセボ群と比較して、有意に高いことが認められました。
臨床的寛解(トレムフィア®群27.6% vs. プラセボ群6.5%;P<0.001)b
臨床的改善(トレムフィア®群65.6% vs. プラセボ群34.5%;P<0.001)c
内視鏡的改善(トレムフィア®群37.3% vs. プラセボ群12.9%;P<0.001)d
Advanced therapyによる治療歴により事前に規定されたサブグループ解析では、トレムフィア®は、生物学的製剤/JAK阻害薬未使用の患者さん及び生物学的製剤/JAK阻害薬抵抗性の患者さんのいずれにおいても、すべての評価項目で統計学的に有意な結果を示しました。
ASTRO試験の安全性データは、すでに承認された適応症におけるトレムフィア®の既知の安全性プロファイルと一貫していました。1つ以上の有害事象、重篤な有害事象又は投与の中止につながるすべての有害事象の発現率は、トレムフィア®群とプラセボ群で同様でした。
J&J Innovative MedicineのVice President兼Gastroenterology Disease Area Lead ImmunologyであるEsi Lamousé-Smith, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「私たちは、炎症性腸疾患の患者さんが効果的に疾患を管理しながら日常生活を送ることができるような治療選択肢を提供することを目指しています。今回の結果は、トレムフィア®が潰瘍性大腸炎の治療にパラダイムシフトを起こす可能性をさらに裏付けるものです。承認が得られれば、トレムフィア®は皮下投与による導入及び維持療法を提供する初めてのIL-23p19阻害剤となる可能性があり、患者さん及び医療従事者の方々に新たな治療選択肢を提供することができる可能性があります」
トレムフィア®は、IL-23を阻害するとともに、IL-23産生細胞の表面に発現する受容体であるCD64にも結合する、初めてかつ唯一承認された完全ヒト型、dual-acting(二重作用)モノクローナル抗体です。IL-23は、活性化した単球/マクロファージ及び樹状細胞から分泌されるサイトカインで、潰瘍性大腸炎をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています1,2,3,4,5。
欧州では、潰瘍性大腸炎及びクローン病の治療薬としてトレムフィア®の承認申請が行われています。米国では、2024年9月に中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として承認を取得し、現在は投与方法としては導入療法として静脈内投与し、その後維持療法として皮下投与が行われています。2024年11月には、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、トレムフィア®の皮下投与による導入療法の生物学的製剤承認一部変更申請をFDAに提出しました。さらに米国では、中等症から重症の活動期クローン病の成人患者さんの治療薬としても承認申請が行われています。
当社がECCOで発表したデータの一覧はこちらをご覧ください:
https://innovativemedicine.jnj.com/our-innovation/focus-areas/immunology/gastroenterology/gastroenterology-newsroom
用語の説明:
a. Dr. Peyrin-Birouletはジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めているが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていない。
b. 臨床的寛解の定義は、Mayo排便回数サブスコアが0または1で、ベースラインから増加しておらず、Mayo直腸出血サブスコアが0、Mayo内視鏡サブスコアが0または1で、内視鏡で易出血性が認められない状態とした。
c. 臨床的改善の定義は、modified Mayoスコアが寛解導入ベースラインから30%以上かつ2点以下に低下し、直腸出血サブスコアがベースラインから1点以上低下しているまたは直腸出血サブスコアが0点または1点とした。
d. 内視鏡的改善の定義は、内視鏡サブスコアが0または1で、内視鏡で易出血性が認められない状態とした。
ASTRO試験(NCT05528510)について
ASTRO試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)及び/又はJAK阻害剤(トファシチニブ)で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、選択的IL-23阻害剤であるトレムフィア®の皮下注導入療法(400mgを初回、4週後、8週後)の有効性及び安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第III相試験です。
患者さんは、初回、4週後、8週後にトレムフィア®400mgの皮下投与を経て、トレムフィア®を4週間隔で200mg皮下投与、もしくは、初回、4週後、8週後にトレムフィア®400mgの皮下投与を経て、トレムフィア®を8週間隔で100mg皮下投与、又はプラセボを4週間隔で皮下投与に1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。ASTRO試験における維持用量(トレムフィア®を4週間隔で200mgもしくはトレムフィア®を8週間隔で100mg)は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象とした第III相QUASAR試験において、静脈内導入療法後の皮下注維持療法の有効性及び安全性が評価された用量と同一でした6。
QUASAR試験(NCT04033445)について
QUASAR試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)及び/又はJAK阻害剤(トファシチニブ)で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、選択的IL-23阻害剤であるトレムフィア®の有効性及び安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第IIb/III相試験です。本試験は、第IIb用量設定導入試験、第III相寛解導入試験、第III相寛解維持試験から構成されています。
導入試験では、初回、4週後、8週後にトレムフィア®200mg又はプラセボを静脈内投与しました。維持試験では、トレムフィア®を4週間隔で200mg、トレムフィア®を8週間隔で100mg、もしくはプラセボを皮下投与しました7。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で、過剰な免疫反応により発症します。症状はさまざまで、出血、血便、持続的な下痢、切迫便意、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます8。
クローン病について
クローン病は炎症性腸疾患を構成する2つの主要な疾患のうちの1つで、米国では約300万人の患者さんがいると推定されています9。クローン病は、原因不明の消化管の慢性炎症性疾患ですが、免疫系の異常に関連している可能性があり、遺伝的素因、食事またはその他の環境要因によって引き起こされることがあります。クローン病の症状はさまざまですが、腹痛や圧痛、頻繁な下痢、直腸出血、体重減少、発熱などがあります10。
トレムフィア®(グセルクマブ)について
J&Jが開発したトレムフィア®は、IL-23のp19サブユニットに結合してIL-23を阻害する医薬品として初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体です。トレムフィア®は、IL-23のp19サブユニットに結合するだけでなく、in vitroの結果において炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の膜表面に発現するCD64にも結合し膜近傍でIL-23を捕捉するdual-acting(二重作用)を有しています。
トレムフィア®は、米国、カナダ、日本をはじめとする多くの国で承認されています。また欧州において、全身療法が適応となる中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さん、及び疾患修飾性抗リウマチ薬による治療で効果不十分、または忍容性が不良の活動性乾癬性関節炎の成人患者さんの治療薬として承認されています。
J&Jは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。
Johnson & Johnsonについて
J&Jは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicineについて
J&J Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、及び眼疾患領域における学術及び情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/やhttps://www.linkedin.com/company/jnjinnovativemedicine/をフォローしてください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びトレムフィア®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Janssen Research & Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及び/又はジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、2024年12月29日に終了した会計年度のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。Janssen Research and Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected]