※本プレスリリースは、6月3日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先されます。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
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DARZALEX FASPRO®をベースとするレジメンが、持続的MRD陰性を達成した移植適応の未治療多発性骨髄腫患者さんにおいて、95%の4年無増悪生存率を示す
自家造血幹細胞移植適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんを対象とした第III相PERSEUS試験においてDARZALEX FASPRO®の投与を受けた半数以上の患者さんでMRD陰性(10‐5閾値)が24カ月以上持続
移植の適応とならない未治療多発性骨髄腫患者さんを対象とした第III相CEPHEUS試験において、DARZALEX FASPRO®の投与を受けた患者さんにおけるMRD陰性率(10-5閾値)は60%を達成し、無増悪生存期間を延長
イリノイ州シカゴ(米国時間2025年6月3日) – Johnson & Johnson(以下「J&J」)は、本日、DARZALEX FASPRO®〔一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤〕をベースとする4剤併用療法が、移植の有無に関わらず未治療の多発性骨髄腫患者さんにおいて、深く持続的な微小残存病変(minimal residual disease: MRD)陰性を示すとともに、長期にわたり無増悪生存期間(progression free survival: PFS)を延長したことを示す2つの試験結果を発表しました1,2,3。これらの結果は、第III相PERSEUS試験の移植適応患者さんを対象とした持続的MRDの解析(抄録番号7501)及び第III相CEPHEUS試験の移植非適応患者さんを対象としたサブグループ解析(抄録番号7516)として、2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会で口頭発表されました。
第III相PERSEUS試験の新たな解析結果では、DARZALEX FASPRO®にボルテゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンに追加した4剤併用療法(D-VRd)、及びその後のDARZALEX FASPRO®とレナリドミド療法(D-R)による維持療法群が、VRdによる導入療法、地固め療法、その後のレナリドミドによる維持療法群と比較して、MRD陰性率及び持続的MRD陰性率(10-5閾値:骨髄細胞10万個中にがん細胞が検出されない状態と定義)が改善し、24カ月以上持続したことが示されました。DARZALEX FASPRO®をベースとする4剤併用療法の投与を受けた患者さんの半数以上は、24カ月以上の持続的MRD陰性を達成し、3分の2以上の患者さんは、12カ月時点で持続的MRD陰性を達成し、48カ月時点の PFS率は95.3%でした(95%信頼区間[CI]:0.3-2.3)。この結果は、DARZALEX FASPRO®が病勢進行又は死亡を遅らせることを裏付けるものでした1。
発表者であるフランス・ナントのHôtel-Dieu大学病院血液内科部長Philippe Moreau, M.D.は、次のように述べています。「今回の解析結果は、D-VRd療法後のD-R維持療法レジメンが、移植適応の未治療多発性骨髄腫に対する有効な治療選択肢であることを示しています。本解析で認められた深く持続的なMRD陰性と、4年時点での高いPFS率は、DARZALEX FASPRO®をベースとする4剤併用療法が、治療の初期段階において患者さんに長期的なベネフィットをもたらす可能性を裏付けるものです」
追跡期間中央値47.5カ月の時点で、24カ月の持続的MRD陰性率(閾値10-5)は、VRd療法後のR単独維持療法群で22.6%であったのに対し、D-VRd療法後のD-R維持療法群では55.8%であり、2倍以上の陰性率を示しました(オッズ比[OR]=4.36;95% CI:3.15-6.05;P<0.0001)。また、12カ月間時点でのMRD陰性率においても、D-VRd療法後のD-R維持療法群(64.8%)で、VRd療法後のR単独維持療法群(29.7%)を上回る陰性率が認められました(OR=4.42;95% CI:3.22-6.08;P<0.0001)1。
第III相CEPHEUS試験の追加データでは、細胞遺伝学的リスクの有無にかかわらず、移植非適応患者さんにおけるDARZALEX FASPRO®のベネフィットが示された
移植の適応とならない患者さんを対象とした第III相CEPHEUS試験の事後解析では、高齢かつ骨髄腫老年学的評価スコア(Myeloma Geriatric Assessment score)でフレイルと判断された患者さんにおいても、D-VRd療法が、VRd療法と比較して有意に深い奏効をもたらし、PFSを延長することが示されました。
追跡期間中央値58.7カ月の時点で、MRD陰性率(閾値10-5)は、VRd療法群で39.3%であったのに対し、D-VRd療法群では60.4%であり、有意に高い陰性率が示されました(OR=2.37;95% CI:1.47–3.80;P=0.0004)。さらに、感度閾値10-6でのMRD陰性率(骨髄細胞100万個中にがん細胞が検出されない状態と定義)についても、VRd療法群の26.9%に対して、D-VRd療法後群では45.8%と高い陰性率が認められました(OR=2.28、95% CI:1.40–3.73、P=0.0010)。これらの深い奏効は長期予後の改善に寄与し、54カ月時点でのPFS率はD-VRd 群の69%に対し、VRd群では48.0%でした(ハザード比[HR] 0.51;95% CI:0.35–0.74)。全生存期間(overall survival:OS)は、D-VRd 群の方が良好であり(HR 0.66;95% CI:0.42–1.03)、COVID-19関連死亡を除外すると、より良好な結果が認められました(HR 0.55;95% CI;0.34–0.90)2。
ASCOでは、細胞遺伝学的に高リスクと診断された移植適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者さんを対象としたCEPHEUS試験のサブグループ解析を含む追加データも発表されました(抄録番号7529)。追跡期間中央値58.7カ月の時点で、標準リスクの患者さんにおけるMRD陰性率は、VRd療法群と比較して、D-VRd療法群で高いことが示されました。高リスクの患者さんにおけるMRD陰性率は、両群で同程度でした3。
J&J Innovative MedicineのMultiple Myeloma Disease Area Leaderで、Vice PresidentでもあるJordan Schecter, M.D.は、次のように述べています。「複数の試験を通して得られた豊富なデータから、DARZALEX FASPRO®をベースとする4剤併用療法が、高リスクの患者さんを含む未治療の多発性骨髄腫患者さんに深く持続的な奏効とPFSの有意な延長をもたらすことが示されています。移植の有無にかかわらず、患者集団全体で一貫した結果が認められたことにより、DARZALEX FASPRO®の初期治療における位置づけが一層強く裏付けられたと言えます」
PERSEUS 試験及びCEPHEUS試験における安全性プロファイルは、DARZALEX FASPRO®の既知の安全性プロファイルと一貫していました。
PERSEUS試験について
PERSEUS試験は、ヨーロッパ骨髄腫ネットワーク(European Myeloma Network)の協力の下、実施されています。本試験は、自家造血幹細胞移植適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんを対象に、D-VRdによる導入療法、地固め療法の有効性及び安全性を、VRd療法と比較する、現在進行中の、無作為化、非盲検、第III相試験です。地固め療法後、患者さんはDARZALEX FASPRO®とレナリドミド併用又はレナリドミド単剤による維持療法を行いました。なお本試験は、DARZALEX FASPRO®維持療法単体での有効性を評価することを目的にデザインされたものではありません。また維持療法としてのDARZALEX FASPRO®とレナリドミド併用の有効性は確立されていません。本試験の主要評価項目はPFS、副次評価項目は、完全奏効(complete response:CR)以上の割合、CR以上を達成した患者さんにおける全MRD陰性率です。患者さんの年齢中央値は、D-VRd群で61.0(32~70)歳、VRd群で59.0(31~70)歳でした2。本試験は欧州14カ国とオーストラリアで実施されています。
CEPHEUS試験について
CEPHEUS試験(NCT03652064)は、移植の適応とならない未治療の多発性骨髄腫患者さんを対象に、D-VRd療法の有効性と安全性をVRd療法と比較する、現在進行中の多施設共同、無作為化、非盲検、第III相試験です。主要評価項目は、閾値10-5でのMRD陰性率です。副次評価項目は、CR以上の奏効を達成した患者さんの割合、PFS、12カ月以上の持続的MRD陰性率、1年後時点でのMRD陰性率、全奏効率、奏効到達期間、奏効持続期間、次治療ラインにおけるPFS、OS、安全性です。この試験には13ヵ国において396人の患者さんが登録されています。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、白血球の一種である形質細胞が骨髄内でがん化し、骨髄腫細胞となり異常に増殖することで生じる、治癒困難な血液がんです4。多発性骨髄腫では、がん化した形質細胞が増殖し、骨髄中の正常細胞が腫瘍細胞に置き換わっていきます5。世界的に見た場合、多発性骨髄腫は血液がんの中では2番目に多いがんであり、依然として治癒困難な疾患です6。2024年には、米国において35,000人以上が多発性骨髄腫と診断され、毎年12,000人以上がこの疾患により亡くなると推定されています7。多発性骨髄腫の5年生存率は59.8%です。多発性骨髄腫は初期には無症状の場合もありますが、骨折や骨痛、赤血球数の減少、疲労、カルシウム値の上昇や腎障害、感染症などの症状を機に、診断されることがあります8,9。
DARZALEX FASPRO®及びDARZALEX®について ※以下は、米国における承認状況です。
DARZALEX FASPRO® 〔一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)・ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)製剤〕は2020年5月に米国食品医薬品局(FDA)の承認を取得し、多発性骨髄腫における9つの適応症に対して承認されています。そのうちの4つが、移植適応又は移植非適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんに対するフロントライン治療です3,6。本剤は、多発性骨髄腫治療薬として承認されている唯一の抗CD38に対する皮下投与する抗体薬です。DARZALEX FASPRO®は、Halozyme社のENHANZE®ドラッグデリバリー技術である遺伝子組換えヒトヒアルロニダーゼPH20と共に製剤化されています。
※なおDARZALEX FASPRO®は、日本国内では「ダラキューロ®配合皮下注」名で販売されています。
DARZALEX® 〔一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え)〕は2015年11月に米国FDAの承認を取得し、8つの適応症に対して承認されています。そのうちの3つが、移植適応又は移植非適応の未治療の多発性骨髄腫患者さんに対する治療です9。
DARZALEX®は、多発性骨髄腫治療薬として承認された最初のCD38に対する抗体薬です9。DARZALEX®をベースとするレジメンは、世界中の618,000人以上の患者さんの治療に用いられてきました。
2012年8月、ヤンセン・バイオテックとGenmab A/Sは、ダラツムマブを開発・製造・販売するための独占的ライセンスをヤンセンに付与する契約を世界的に締結しました。
さらに詳しい情報については、https://www.darzalexhcp.comをご覧ください。
* Philippe Moreau, M.D.、は、J&Jに対するコンサルティング、アドバイザリー、講演などにご協力いただいておりますが、メディア活動に関しては、報酬は発生しておりません。
Johnson & Johnson について
J&Jは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
J&J Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、及び眼疾患領域における学術及び情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はinnovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びDARZALEX FASPRO®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新の会計年度のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
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