※本プレスリリースは、5月5日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
現在、トレムフィア®は日本国内において、皮下投与による潰瘍性大腸炎の導入療法及びクローン病に対して未承認です。
トレムフィア®、潰瘍性大腸炎の導入療法における皮下投与製剤として初めてかつ唯一のIL-23阻害薬となる可能性を24週時点のデータが示す
潰瘍性大腸炎に対するトレムフィア®の皮下投与による導入療法が、24週時点で有意な臨床的寛解及び内視鏡的改善率を示す
直近のクローン病を対象としたFDAによるトレムフィア®の皮下投与及び静脈内投与の2種類の投与方法による導入療法の承認に続く
カリフォルニア州サンディエゴ(米国時間2025年5月5日) – Johnson & Johnson(NYSE:JNJ、以下「J&J」)は、本日、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんを対象にトレムフィア®(一般名:グセルクマブ)の皮下投与による導入療法を評価した第III相ASTRO試験の最新データを発表しました。ASTRO試験の24週時点のデータは、第III相QUASAR試験のデータ及び本試験の12週時点の皮下投与による導入療法のデータを裏付けるものとなり、すべての臨床的及び内視鏡的評価項目において、プラセボと比較して統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が認められました。これらの結果は、米国食品医薬品局(FDA)により承認された静脈内投与による導入療法の結果と一貫していました1,2。トレムフィア®は、皮下投与による導入及び維持療法として良好な結果を示した初めてかつ唯一のIL-23阻害薬です。これらの結果は、2025年米国消化器病週間(DDW)で発表された当社の24件の演題に含まれています。
24週時点では、導入療法としてトレムフィア®400mgを初回、4週後、8週後に皮下投与し、その後維持療法としてトレムフィア®100mgを8週間隔又はトレムフィア®200mgを4週間隔で皮下投与した群はプラセボ群と比較し、すべての臨床的及び内視鏡的評価項目において、統計学的に有意かつ臨床的に意義のある改善が示されました1。
24週時点: |
トレムフィア® 100mgを8週間隔で皮下投与した群 |
トレムフィア® 200mgを4週間隔で皮下投与した群 |
プラセボ群 |
臨床的寛解(P<0.001)a |
35.3% |
36.4% |
9.4% |
症候的寛解(P<0.001)b |
54.7% |
50.0% |
25.2% |
内視鏡的改善(P<0.001)c |
40.3% |
45.0% |
12.2% |
臨床的改善(P<0.001)d |
63.3% |
61.4% |
30.9% |
ノースカロライナ大学チャペルヒル校消化器・肝臓内科学教授であり、本試験の治験担当医師を務めるMillie Long, M.D., MPH eは、次のように述べています。「ASTRO試験のデータは、 トレムフィア®の皮下投与による導入療法が、潰瘍性大腸炎の患者さんに、静脈内投与による導入療法と同様に、臨床的に意義のある寛解をもたらすことを示すものです。導入療法において皮下投与及び静脈内投与という2つの治療選択肢があることで、医師及び患者さんは状況に応じて、治療方針を立てることができます」
また、24週時点で、Advanced therapyによる治療歴に基づき事前に規定されたサブグループ解析では、トレムフィア®は、生物学的製剤/JAK阻害薬未使用の患者さん及び生物学的製剤/JAK阻害薬抵抗性の患者さんのいずれにおいても、すべての評価項目で統計学的に有意な結果を示しました。ASTRO試験の安全性データは、すでに承認された適応症におけるトレムフィア®の既知の安全性プロファイルと一貫していました1。
J&J Innovative MedicineのVice President兼Gastroenterology Disease Area Lead ImmunologyであるEsi Lamousé-Smith, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「今回の結果は、トレムフィア®が潰瘍性大腸炎の治療を大きく変える可能性を示すものであり、皮下投与による導入療法及び維持療法として、意義のある臨床的及び内視鏡的改善をもたらす利便性の高い治療選択肢を提供し、医療従事者にも貢献できるよう取り組んでいます」
トレムフィア®は、IL-23を阻害するとともに、IL-23産生細胞の表面に発現する受容体であるCD64にも結合する、初めてかつ唯一承認された、dual-acting(二重作用)ヒト型抗IL-23p19モノクローナル抗体です。IL-23は、活性化した単球/マクロファージ及び樹状細胞から分泌されるサイトカインで、潰瘍性大腸炎をはじめとする免疫介在性疾患の原因となることが知られています3,4,5,6,7。
米国では、トレムフィア®は2024年9月に中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬としてFDAの承認を取得し、現在は投与方法としては導入療法として静脈内投与し、その後維持療法として皮下投与が行われています。2024年11月には、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の成人患者さんの治療薬として、トレムフィア®の皮下投与による導入療法の生物学的製剤承認一部変更申請をFDAに提出しました。さらに2025年3月には、FDAより、中等症から重症の活動期クローン病の成人患者さんの治療薬として、トレムフィア®の皮下投与及び静脈内投与による導入療法の承認を取得しました。
当社がDDWで発表するデータの一覧はこちらをご覧ください:https://innovativemedicine.jnj.com/our-innovation/focus-areas/immunology/gastroenterology/gastroenterology-newsroom
用語の説明:
a. 臨床的寛解の定義は、Mayo排便回数サブスコアが0又は1で、ベースラインから増加しておらず、Mayo直腸出血サブスコアが0、Mayo内視鏡サブスコアが0又は1で、内視鏡で易出血性が認められない状態とした。
b. Mayoスコアで評価する症候的寛解の定義は、排便回数サブスコアが0(正常な排便回数)又は1(正常な排便回数より1日1~2回多い)で、直腸出血サブスコアが0(血液はみられない)とした。
c. 内視鏡的改善の定義は、内視鏡サブスコアが0又は1で、内視鏡で易出血性が認められない状態とした。
d. 臨床的改善の定義は、modified Mayoスコアがベースラインから30%以上かつ2点以上減少し、直腸出血サブスコアがベースラインから1点以上減少するか、0又は1になった場合とした。
e. Dr. LongはJ&Jのコンサルタントを務めているが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていない。
ASTRO試験(NCT05528510)について
ASTRO試験は、既存治療(チオプリン製剤またはステロイド薬)、生物学的製剤(TNFα阻害薬、ベドリズマブ)及び/又はJAK阻害剤(トファシチニブ)で効果不十分もしくは忍容性が不良であった、成人の中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎の患者さんを対象に、選択的IL-23阻害剤であるトレムフィア®の皮下注導入療法(400mgを初回、4週後、8週後)の有効性及び安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、並行群間、多施設共同、第III相試験です。
患者さんは、初回、4週後、8週後にトレムフィア®400mgの皮下投与を経て、トレムフィア®を4週間隔で200mg皮下投与、もしくは、初回、4週後、8週後にトレムフィア®400mgの皮下投与を経て、トレムフィア®を8週間隔で100mg皮下投与、又はプラセボを4週間隔で皮下投与に1:1:1の割合で無作為に割り付けられました。ASTRO試験における維持用量(トレムフィア®を4週間隔で200mgもしくはトレムフィア®を8週間隔で100mg)は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎患者さんを対象とした第III相QUASAR試験において、静脈内導入療法後の皮下注維持療法の有効性及び安全性が評価された用量と同一でした8。
潰瘍性大腸炎について
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜が炎症を起こし、膿や粘液を産生するびらんや潰瘍を形成する慢性疾患で、過剰な免疫反応により発症します。症状はさまざまで、出血、血便、持続的な下痢、切迫便意、腹痛、食欲不振、体重減少、疲労などが挙げられます9。
トレムフィア®(グセルクマブ)について
J&Jが開発したトレムフィア®は、IL-23のp19サブユニットに結合してIL-23を阻害する医薬品として初めて承認された完全ヒト型モノクローナル抗体です。トレムフィア®は、IL-23のp19サブユニットに結合するだけでなく、in vitroの結果において炎症性単球モデルのIL-23産生細胞の膜表面に発現するCD64にも結合し膜近傍でIL-23を捕捉するdual-acting(二重作用)を有しています。
トレムフィア®は、欧州やカナダ、日本などで中等症から重症の尋常性乾癬及び乾癬性関節炎の治療薬として承認されています。さらに、欧州や日本、ブラジルにおいては中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療薬として承認されており、ブラジルと中国では中等症から重症のクローン病の治療薬としても承認されています。なお、日本においては皮下投与による潰瘍性大腸炎の導入療法は未承認です。
J&Jは、トレムフィア®の全世界での独占販売権を有しています。
Johnson & Johnson について
Johnson & Johnsonは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
Johnson & Johnson Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患における学術および情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。Johnson & Johnson Innovative Medicineは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はinnovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びトレムフィア®の潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社の予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはJohnson & Johnsonの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これらの書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはJohnson & Johnson宛てにご請求ください。Johnson & Johnson及び/又はヤンセンファーマ株式会社は、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected]