※本資料は、米Janssen Research & Development社が2017年6月3日(現地時間)に発表したプレスリリースを翻訳したものです。発表内容のデータは、米国・シカゴで開催されている米国臨床腫瘍学会年次総会(ASCO2017)で発表した内容です。
2017年9月8日、ベルギー・ベーアセにて発表
ヤンセン・シラグ・インターナショナルNV社は本日、第Ⅲ相ピボタル試験であるLATITUDE試験の追加報告として,アビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンとアンドロゲン除去療法(ADT)との併用がADT単独と比較して、ハイリスクの予後因子を有する初発のホルモン療法未治療転移性前立腺癌(mHNPC)患者の様々な患者報告アウトカム(PRO)に臨床的に意義があり、かつ統計的に有意な改善をもたらしたことを発表しました。
アビラテロン酢酸エステルとプレドニゾンまたはプレドニゾロンとの併用療法の現在の適応症は、ADT施行後に増悪し化学療法施行前の無症状または軽度の症状を有する転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC),およびドセタキセルを用いた化学療法施行中または施行後に進行したmCRPC(*日本での適応症は「去勢抵抗性前立腺癌」)です1。
2017年9月8~12日にスペイン・マドリッドで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO)年次総会で,LATITUDE試験においてアビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンとADTとの併用はADT+プラセボと比較して以下のPROを有意に延長させたと発表されました;最大の痛みに増悪するまでの期間(HR:0.63、95% CI:0.52~0.77、P < 0.0001)、支障をきたす痛みに増悪するまでの期間(HR:0.67、95% CI:0.56~0.80、P < 0.0001)、最悪時の疲労に悪化するまでの期間(HR:0.65、95% CI:0.53~0.81、P = 0.0001)、支障をきたす疲労に悪化するまでの期間(HR:0.59、95% CI:0.47~0.75、P < 0.0001)。また、身体面,心理面(精神面)などのいくつかの評価尺度が含まれる健康関連QoL(HRQoL)においても、ADT+プラセボと比較して有意な改善が認められ、HRQoL低下リスクを減少(HR:0.85、95% CI:0.74~0.99、P = 0.0322)させました2。
「生存期間や病勢進行に対する有意なベネフィットに加えてLATITUDE試験から報告された新たなデータより、アビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンとADTとの併用は,初発の転移性前立腺癌の患者さんに対する非常に重要で有効な治療選択肢となるでしょう。」とLATITUDE試験の治験責任医師であるフランス・Institute Gustave Roussy メディカルオンコロジー部責任者のKarim Fizazi先生は述べています。「これらの結果は、『New England Journal of Medicine』誌の6月号およびASCO 2017で発表した、ハイリスクの予後因子を有する初発のホルモン療法未治療転移性前立腺癌患者さんにおいて全生存期間と画像上の無増悪生存期間に有意な改善が認められたというこれまでのLATITUDE試験結果を踏まえたものです。」
また、ESMOでは、ホルモン療法未治療転移性前立腺癌治療薬として、アビラテロン酢酸エステルとドセタキセルとの間接比較の結果も発表されました。系統的レビューにより、LATITUDE試験とその他のいくつかの試験の結果について検討したところ、アビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンとADTとの併用はADT+ドセタキセルよりも、ハイリスクの予後因子を有する患者や高腫瘍量の患者の病勢進行リスクおよび死亡リスクを大きく低下させることが示唆されました3。
「前立腺癌患者さんの中には、早期の方もいらっしゃれば、末期の方もいらっしゃいます。これらの患者さんのためにも、ヤンセンは常に、前立腺癌治療と患者さんの生活の質を取り巻く課題に挑戦しています。」とヤンセン欧州・中東・アフリカ本社オンコロジー固形腫瘍治療領域の責任者であるIvo Winiger-Candolfiは述べています。「LATITUDE試験で認められたPROに関する結果は、私たちの励みとなっています。これらの試験結果は、アビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンを現在の適応であるCRPCに加えて、より早期の前立腺癌に用いることの妥当性を裏付けるものでしょう。これらの最新の結果によって、アビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンとADTとの併用療法が、ハイリスクの予後因子を有する初発の転移性前立腺癌患者さんの標準治療となる可能性を秘めていると考えています。」
ハイリスクの予後因子を伴う転移性ホルモン感受性前立腺癌(mHSPC)について
すべての前立腺癌は同じではありません。その範囲は、前立腺に限局される癌から、リンパ節、骨、または体の他の部位などの前立腺以外に広がっている癌にまで及びます。前立腺癌の拡がりの程度でステージを判定します[iv]。ホルモン感受性前立腺癌(HNPC)とは、患者がADTを受けていない状態を指します5。mHNPCと診断された患者、特にハイリスクの因子を有する患者の予後は不良です10。ADT+ドセタキセルの併用療法ではmHNPCにおける転帰が改善されたことが示されていますが、ドセタキセルが適応とならない患者も多く、別の治療法で効果が得られる場合があります]。
LATITUDE試験7について
第Ⅲ相ランダム化二重盲検比較試験であるLATITUDE試験には、mHNPCと新たに診断された患者1,199名が組み入れられ、欧州、アジアパシフィック、中南米、およびカナダの34ヵ国の235施設で行われました。このうち597名がADTと併用してアビラテロン酢酸エステル+プレドニゾンを投与する群(n=597)に、また602名がADT+プラセボを投与する群(n=602)に無作為に割り付けられました。組み入れられた患者は、診断時に、コンピュータ断層撮影法(CT)または磁気共鳴画像法(MRI)にて骨スキャン陽性のハイリスクの予後因子を伴うmHNPCまたは転移病変が確認されており、さらに、予後不良な以下の3つのハイリスク因子のうち少なくとも2つを有していました。
· グリーソンスコア8以上
· 3箇所以上の骨病変
· 測定可能な内臓転移の存在
アビラテロン酢酸エステルについて
アビラテロン酢酸エステル+プレドニゾン/プレドニゾロンは、前立腺癌にとって重要な精巣、副腎、および腫瘍組織自体という3つのアンドロゲン(前立腺癌細胞の増殖を促進する)分泌源すべてでアンドロゲンの産生を抑制するmCRPCの治療法として唯一承認されている療法です1,8,9。
アビラテロン酢酸エステルは現在までに100ヵ国以上で承認されており、世界中で約33万人の男性に処方されています10,11
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected] TEL:03-4411-5046 FAX: 03-4411-5050