ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下ヤンセン)は、中等症から重症の局面型皮疹を有する日本人乾癬患者および膿疱性乾癬(Generalized Pustular Psoriasis:GPP)または乾癬性紅皮症(Erythrodermic Psoriasis:EP)日本人患者を対象とした、IL-23(インターロイキン23)を標的とする新規作用機序を有するヒトモノクローナル抗体、グセルクマブ (Guselkumab)の2つの国内第3相試験の結果を発表しました1。IL-23は乾癬を含む免疫介在性炎症性疾患の発症において重要な役割を担っていることがこれまでに示されています2,3。乾癬は、皮膚細胞の異常増殖をきたす慢性の自己免疫性炎症性疾患で、隆起した炎症性の赤みを帯びた皮疹や銀白色の細かいかさぶたに覆われたような鱗屑(りんせつ)が特徴で、一部の患者では関節の腫れや痛みを引き起こすこともあります。
中等症から重症の局面型皮疹を有する日本人乾癬患者(関節症性乾癬患者を含む)を対象とした国内第3相試験において、16週時点におけるIGAスコア「0(皮膚病変なし)または1(軽微)」を達成した患者の割合と、PASI 90(PASIスコアが治療前の90%以上改善した状態)を達成した患者の割合の2つの主要評価項目が設定され、IGAスコア「0または1」を達成した患者の割合は、プラセボ投与群では7.8%であったのに対し、0週目と4週目、その後8週毎にグセルクマブ50mgまたは100mgの投与を受けた患者群では各々92.3%、88.9%、PASI 90を達成した患者の割合はプラセボ投与群の0%と比べて、グセルクマブ50mg投与群および100mg投与群では各々70.8%、69.8%と、いずれも主要評価項目を達成しました。また、グセルクマブ50mg投与群および100mg投与群いずれにおいても、52週目まで効果が維持されました1。
また、日本人の膿疱性乾癬(GPP)または乾癬性紅皮症(EP)患者さんを対象とした国内第3相臨床試験においてGPP 10例およびEP 11例に対し、0週目と4週目、その後8週毎にグセルクマブ50mgを投与したところ、その治療奏効率は16週時で7/9例および10/11例、52週で8/8例および10/10例という結果でした。
本国内試験で示されたグセルクマブの有効性および安全性プロファイルは、『米国皮膚科学学会誌』の3月号で発表されたVOYAGE 1とVOYAGE 2、また最近の米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology、AAD)年次総会で結果が発表されたNAVIGATEの各海外第3相試験で報告、またBritish Journal of Dermatologyオンラインで公表されているデータと一致するものでした4,5,6,7。
日本においては、上記試験の結果に基づき、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症を適応とした治療薬として2017年4月に製造販売承認申請を行っております。
ヤンセンはグセルクマブを乾癬の新たな治療薬として提供することで、患者さんのQOL向上に尽力してまいります。
グセルクマブについて
グセルクマブはIL-23を特異的に標的とする新規作用機序を有するヒトモノクローナル抗体で、中等度から重度の尋常性乾癬を有する成人患者の治療を目的とした皮下投与製剤として、承認を受けており8、現在日本と欧州で承認審査中です9。