※当資料は、2019年12月9日(現地時間)に米国フロリダ州オーランドで開催された第61回米国血液学会年次総会(ASH 2019)で発表した抄訳版プレスリリースです。このため、必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。プレスリリースの正式言語が英語であるため、原文の発表内容が優先されます。
フロリダ州、オーランド(現地時間12月9日) – ジョンソン・エンド・ジョンソングループの医薬品部門であるヤンセンは本日、国際共同第Ⅲ相試験(MMY3007試験、ALCYONE、Abstract #859)の全生存期間(OS)に関する結果を発表しました。造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、ダラザレックス®(ダラツムマブ)とボルテゾミブ、メルファラン及びprednisone*/プレドニゾロンの併用療法(DVMP)により、ボルテゾミブ、メルファラン及びprednisone*/プレドニゾロンの併用療法(VMP)と比べてOSが改善され、死亡リスクが40%低下することが示されました。これらのALCYONE試験の最新データでは、ダラザレックス®とVMPの併用により微小残存病変(MRD)の陰性率も高くなることが示されました1。これは、ALCYONE試験におけるOSに関する初めての発表であり、オーランドで開催された2019年米国血液学会(ASH)年次総会のオーラルセッションで発表されました。また本結果は同時にThe Lancet誌でも公表されました。
*国内未承認
「多発性骨髄腫患者を治療する医師として、患者さんに長期的なベネフィットを提供するために初発時の治療でより深い奏効を達成したいと考えています。初発時の治療においてダラツムマブとVMPを併用することにより、現行の標準治療と比較して全生存期間の延長に重要な効果が得られる可能性があると考えています。今回のALCYONE試験の長期追跡調査の結果は、非常に心強いものです」と、スペイン・サラマンカのIBSAL/サラマンカ大学病院Myeloma Unit ディレクター兼治験責任医師であるMaria-Victoria Mateos, M.D., Ph.D.は述べています。
観察期間中央値3年以上経過後に実施した中間解析の結果、42ヵ月目の推定OS率はDVMP群の75%に対し、VMP群で62%であり、VMP併用療法に対してDVMP併用療法では統計学的に有意なOSの改善が認められました(ハザード比(HR)=0.60; 95%信頼区間(CI), 0.46-0.80; P=0.0003)1。OS中央値はいずれの群でも到達せず、追跡調査は継続中です。また、観察期間中央値40.1ヵ月後の無増悪生存期間(PFS)中央値は、DVMP群の36.4ヵ月に対し、VMP群では19.3ヵ月でした(HR=0.42; 95% CI, 0.34-0.51; P<0.0001)1。さらに、DVMP群では、微小残存病変(MRD)10-5閾値の陰性率がVMP群と比較して有意に高くなることが示されました(28% vs. 7%)1。
DVMP群又はVMP群で被験者の3%以上にみられた主なGrade 3/4の有害事象は好中球減少(40.2% vs. 39%)、血小板減少(34.7% vs. 37.9%)、貧血(17.3% vs. 19.8%)及び肺炎(13% vs. 4.2%)でした1。Grade 5の有害事象はDVMP群で6.9%であったのに対し、VMP群では5.6%であり、TEAEによる治験薬投与中止はDVMP群6.9%に対し、VMP群9.3%、二次性悪性腫瘍の発現率はDVMP群4.9%に対し、VMP群4.5%でした1。新たな安全性の懸念は認められませんでした。
ヤンセン リサーチ・アンド・ディベロップメントのヘマトロジー領域リーダー兼バイスプレジデントであるYusri Elsayed, M.D., MHSc., Ph.D.は、「ASHで発表したデータは、持続的な奏効と有意に延長した生存期間に支持されるように、初発時の治療におけるダラザレックス®を用いたレジメンの効果を示すものです。多発性骨髄腫と診断された患者さんの治療に改善をもたらすという目標のもと、これからもダラザレックス®の研究に取り組んでいきます」と述べています。
ALCYONE試験1について
第Ⅲ相ランダム化、非盲検、多施設共同試験であるALCYONE試験(MMY3007試験)には、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者706例を組み入れました。患者の年齢の中央値は71歳(範囲:40~93歳)でした。DVMP併用療法又はVMP療法を最大9サイクル行う群に患者をランダムに割り付けました。
ダラザレックス®について
ダラザレックス®は、CD38を標的とするモノクローナル抗体です。病期に関わらず多発性骨髄腫の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することによって機能します2。未治療、再発などの患者対象において、包括的な臨床開発プログラムを通じて多発性骨髄腫治療におけるダラザレックス®の様々な可能を評価しています3,4,5,6,7,8,9,10。くすぶり型などのCD38が発現する他のタイプの多発性骨髄腫における可能性を評価するなど、進行中または計画中の試験があります11,12。
2012年8月、米・ヤンセンバイオテック社は、デンマーク・Genmab社とグローバルライセンス・開発契約を締結し、ダラザレックス®の開発・製造および商業化するための独占ライセンスを同社から付与されています13。日本における製造販売元は、ヤンセンファーマ株式会社です。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じます。形質細胞が増殖し、がん化して骨髄腫細胞になり、多発性骨髄腫を発症します14,15。2019年の多発性骨髄腫の罹患数予測は7,800人で、死亡数予測は4,500人と推計されています16。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨痛や骨折、息切れ・だるさ、免疫機能の低下、腎障害や血液循環の障害などにより受診し診断されることがあります17。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し希望を与えます。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。www.facebook.com/JanssenJapan/
ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
E-mail: [email protected] TEL:03-4411-5046 FAX: 03-4411-5050