ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)は本日、ヒト型抗CD38モノクローナル抗体『ダラザレックス®点滴静注100mg』および『ダラザレックス®点滴静注400mg』(以下、ダラザレックス®、一般名:ダラツムマブ(遺伝子組換え))のレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用投与(DRd)について承認を取得しました。効能又は効果は多発性骨髄腫で、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者へのダラザレックス®とレナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用療法を対象とするものです。
The New England Journal of Medicine誌で発表した海外第Ⅲ相臨床試験(MMY3008試験、MAIA)では、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者を対象にダラザレックス®をレナリドミドおよびデキサメタゾンと併用で投与する群(DRd群)と、レナリドミドとデキサメタゾンを投与する群(Rd群)に無作為に割り付け、ダラザレックス®のRd療法への上乗せ効果を検討しました。主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、DRd群では未到達、Rd群で31.9ヵ月(95%信頼区間:28.9~推定不能)となり、統計学的に有意な延長を示しました(HR:0.56、95%信頼区間:0.43~0.73、p<0.0001)。副次評価項目においては、全奏効率(ORR)はDRd群93%に対し、Rd群81%、最良部分奏効(VGPR) 以上を達成した割合は、DRd群79%に対してRd群53%、完全奏効(CR)以上を達成した割合は、DRd群48%に対し、Rd群25%、微小残存病変(MRD)10-5閾値の陰性率は、DRd群24%、Rd群7%を示しました。1。
本剤と関連性がある有害事象は364例中308例(84.6%)に発現しました。主な事象は、好中球減少症96例(26.4%)、疲労70例(19.2%)、貧血及び呼吸困難が各49例(13.5%)などが認められました。
「レナリドミドおよびデキサメタゾンとの併用投与の未治療の多発性骨髄腫患者への承認は、ダラザレックス®の重要な臨床的ベネフィットを示すものであり、多発性骨髄腫治療における新たなパラダイムを目指していきます」とヤンセンの代表取締役社長であるクリス・フウリガンは述べています。
また、ヤンセンの研究開発本部 本部長の野中健史は、「今後も研究を続け、ダラザレックス®の価値を最大化するために、多発性骨髄腫における同薬剤のさらなる可能性を探ってまいります」と語っています。
MAIA(MMY3008)試験について
MAIA試験は、造血幹細胞移植を伴う大量化学療法が非適応で未治療の多発性骨髄腫患者737名(45〜90歳、年齢中央値73歳)を対象とする第Ⅲ相無作為化、非盲検、多施設共同試験です。被験者は、ダラザレックス®をレナリドミドおよびデキサメタゾンと併用で投与する群(DRd群)と、レナリドミドとデキサメタゾンのみを単独で投与する群(Rd群)に無作為に割り付けられました。いずれの治療群の被験者に対しても、疾患の進行又は許容できない毒性が認められるまで治療薬の投与が継続されました。試験の主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)です。
ダラザレックス®について
ダラザレックス®は、CD38を標的とするモノクローナル抗体です。病期に関わらず多発性骨髄腫の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することによって機能します2。ダラザレックス®は、未治療、再発などの患者対象において、包括的な臨床開発プログラムを通じて多発性骨髄腫治療における様々な可能を評価しています3,4,5,6,7,8,9,10。くすぶり型などのCD38が発現する他のタイプの多発性骨髄腫における可能性を評価するなど、進行中または計画中の試験があります11,12。
2012年8月、米・ヤンセンバイオテック社は、デンマーク・Genmab社とグローバルライセンス・開発契約を締結し、ダラザレックス®の開発・製造および商業化するための独占ライセンスを同社から付与されています13。日本における製造販売元は、ヤンセンファーマ株式会社です。
多発性骨髄腫について
多発性骨髄腫は、形質細胞が骨髄で異常に増殖することで生じます。形質細胞が増殖し、がん化して骨髄腫細胞になり、多発性骨髄腫を発症します14,15。2019年の多発性骨髄腫の罹患数予測は7,800人で、死亡数予測は4,500人と推計されています16。多発性骨髄腫は無症状の場合もありますが、骨痛や骨折、息切れ・だるさ、免疫機能の低下、腎障害や血液循環の障害などにより受診し診断されることがあります17。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し希望を与えます。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。www.facebook.com/JanssenJapan/
ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。
【本件に関するお問合せ先】
ヤンセンファーマ株式会社
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