ヤンセンファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:クリス・フウリガン、以下「ヤンセン」)は本日、ダラツムマブ皮下注製剤について、「全身性ALアミロイドーシス」の適応取得を目的とした製造販売承認を申請しました。日本では、本年11月25日に希少疾病用医薬品に指定されています。
全身性ALアミロイドーシスは国の指定難病で、2014年に実施された全国疫学調査による国内推定患者数は、3,200例とされています1,2。アミロイドーシスはアミロイドと呼ばれるナイロンに似た線維状の異常蛋白質が全身の様々な臓器に沈着し、機能障害をおこす病気の総称です。複数の臓器にアミロイド蛋白が沈着する全身性アミロイドーシスと、特定の臓器に限局してアミロイド蛋白が沈着する限局性アミロイドーシスに分類されます。全身性アミロイドーシスのうち、全身性ALアミロイドーシスは、異常形質細胞より産生されるアミロイド蛋白の沈着により多臓器障害を引き起こし、その臓器障害により生存率の低下や疾患の転帰に影響を及ぼす予後不良の疾患です。
全身性AL アミロイドーシスの治療は、その病態が多発性骨髄腫と類似しているため、自己造血幹細胞移植(ASCT) や悪性形質細胞を標的とする薬物療法(抗形質細胞療法)が実施されており、国内外のガイドライン1,3,4,5,6で推奨されています。抗形質細胞療法の中でも,CyBorD(シクロホスファミド水和物、ボルテゾミブ、デキサメタゾン)療法は、多くの有効性、安全性について報告されている治療法の1つです。
「ヤンセンは、画期的な薬剤開発の実績に誇りを持っており、現時点で同疾患を適応とする治療薬が存在しない全身性ALアミロイドーシス患者の方々のアンメットニーズを満たせるよう尽力してまいります」とヤンセンの代表取締役社長クリス・フウリガンは述べています。
ダラツムマブは、点滴静注製剤で「多発性骨髄腫」の適応が承認されており、CD38を標的とするモノクローナル抗体です。国内においては、2017年より『ダラザレックス®点滴静注100mg』および『ダラザレックス®点滴静注400mg』として販売されています。2020年4月には、ボルヒアルロニダーゼ アルファ(遺伝子組換え)(rHuPH20)を配合した皮下注製剤の製造販売承認を申請中です。
ヤンセンの研究開発本部 本部長アマナス・シャーマは次のように述べています。「本申請は、アンメットニーズが高いこの疾患に対するダラツムマブによる貢献を目指しています。この新たな治療法を全身性ALアミロイドーシス患者さんにできる限り早く提供するために、引き続き当局と緊密に協力していきます。」
本申請は、2020年6月に開催された第25回欧州血液学会議(EHA)年次総会で発表された国際共同第Ⅲ相試験(AMY3001、ANDROMEDA)試験に基づいています。同試験は、CyBorD療法(シクロホスファミド水和物、ボルテゾミブ、デキサメタゾン)に対するダラツムマブ皮下注製剤の上乗せ効果を検討し、未治療の全身性AL アミロイドーシス患者に対する有効性と忍容性が確認されています。
ANDROMEDA試験について
同試験は、未治療の全身性ALアミロイドーシス患者を対象に388名を対象とするランダム化、非盲検、実薬対照、多施設共同、国際共同第Ⅲ相試験です。被験者は、ダラツムマブ皮下注製剤をシクロホスファミド水和物、ボルテゾミブ、デキサメタゾンと併用で投与する群(DCyBorD療法)と、シクロホスファミド水和物、ボルテゾミブ、デキサメタゾンを投与する群(CyBorD群)のいずれかに無作為に割り付けられました。主要評価項目は、国際アミロイドーシス統一治療効果判定基準に基づくCR率です。
ダラツムマブについて
ダラツムマブは、CD38を標的とするモノクローナル抗体です。病期に関わらず多発性骨髄腫の表面に過剰発現するシグナル伝達分子のCD38に結合することによって機能します7。ダラツムマブは、未治療、再発などの対象患者において、包括的な臨床開発プログラムを通じて多発性骨髄腫治療における様々な可能性を評価しています8,9,10,11,12,13,14,15。くすぶり型などのCD38が発現する他のタイプの多発性骨髄腫における可能性を評価するなど、進行中または計画中の試験があります16,17。ダラツムマブは、移植非適応の未治療多発性骨髄腫の治療において、ダラツムマブ、レナリドミド、デキサメタゾンの併用療法(DRd療法)、ダラツムマブ、ボルテゾミブ、メルファラン、プレドニゾロンの併用療法(DVMP療法)が国内の主要な血液・骨髄腫のガイドラインにおいて推奨療法となっています18。
2012年8月、ヤンセンはジェンマブ社と独占的なグローバルライセンスおよび開発契約を締結し、ダラザレックス®を開発、製造、および商品化しました。2015年の海外での承認以来、世界中で14万3,000人以上の患者に投与されています。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、ワクチン・感染症、代謝・循環器疾患、肺高血圧症の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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ヤンセンファーマ株式会社は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの医薬品部門であるヤンセンファーマグループの一員です。
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