※本プレスリリースは、2月7日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。こちらをご参照ください。
本邦ではJNJ-2113は現在開発中であり、現時点では承認されておりません。
開発中の標的経口ペプチドJNJ-2113、第IIb相臨床試験で中等症から重症の尋常性乾癬において良好な結果をもたらす結果は『New England Journal of Medicine』誌に掲載
第IIb相臨床試験であるFRONTIER 1より、IL-23受容体を選択的に阻害する治験段階にある、最初で唯一の標的経口ペプチドJNJ-2113、主要評価項目を達成するとともに、すべての副次評価項目を達成した(PASIa 100達成率40.5%およびIGAb 0達成率45.2%)ことが示された
スプリングハウス ペンシルベニア州(米国時間2024年2月7日) – ジョンソン・エンド・ジョンソンは、JNJ-2113に関する第IIb相FRONTIER 1試験の結果が『The New England Journal of Medicine(NEJM)』誌に掲載されたことを発表しました1。JNJ-2113は、IL-23受容体を阻害するよう設計された、治験段階にある最初で唯一の標的経口ペプチド阻害薬です2。IL-23は、中等症から重症の尋常性乾癬(PsO)での病原性T細胞の活性化において重要な役割を果たしており、PsOや、IL-23を介するその他の皮膚疾患および胃腸疾患における炎症反応の原因となります3,4。FRONTIER 1試験は、中等症から重症の尋常性乾癬を有する成人を対象にJNJ-2113を評価した有効性の主要評価項目およびすべての副次評価項目を達成しました1。
本試験の主要評価項目は、ベースラインから第16週時までの「乾癬の面積と重症度の指数」スコアの75%以上の低下(PASI 75達成)でした。試験の結果、第16週時のPASI 75においてJNJ-2113を投与された成人患者さんでは、プラセボを投与された患者さんと比較して有意な用量反応性が認められ、検討した用量のうちの最高用量である100mg1日2回群では、患者さんの79%がPASI 75を達成しました。このデータは副次評価項目と一貫しており、最高用量のJNJ-2113を投与された患者さんのPASI 100達成率は40.5%、IGA 0(皮膚病変なし)達成率は45.2%でした1。
Innovaderm Research(カナダ、モントリオール)のChief Executive OfficerおよびMedical DirectorであるRobert Bissonnette, M.D.は、次のように述べていますd。「PsOのような免疫介在性炎症性疾患に対する高度な治療法の背後にある科学はこの数十年で進歩しており、患者さんは、標準治療としての有効性、許容可能な安全性プロファイル、そして柔軟な投与経路を兼ね備えた治療選択肢を望んでいます。今回NEJMで報告された第IIb相FRONTIER 1試験のデータは、進行中の臨床開発プログラムを強く支持するものであり、患者さんにとって魅力的で利便性の高い治療選択肢となる可能性のある経口治療薬として、引き続きJNJ-2113の臨床開発を行っていく上での根拠となりえます」
また、第16週までの「患者報告アウトカム」にも一貫した改善が認められました1。JNJ-2113を投与された患者さんでは、「Psoriasis Symptoms and Signs Diary(PSSD)」cによる評価で、第16週までに、本疾患に関連する症状の重症度がベースラインからより大きく改善しました1。またベースラインの「皮膚疾患特異的QOL尺度(DLQI)」eスコアが1を超えていた患者さんのうち、JNJ-2113を投与された患者さんでは、プラセボを投与された患者さんと比較して有意に高い割合で、第16週時のDLQIスコアが0/1(QOLへの影響なし)となりました1。
第II相臨床試験において、有害事象(AE)の発現割合は、JNJ-2113群とプラセボ群との間で概ね同程度でした1。多く見られた(いずれかの投与群で発現割合が5%以上)AEは、COVID-19感染、上咽頭炎、上気道感染、下痢、頭痛、咳嗽でした1。JNJ-2113の投与群とAEまたは重篤なAEの発現との間に関連性は認められませんでした1。
JNJ-2113の投与は、血清中ヒトβデフェンシン2(hBD-2)濃度を、プラセボと比較して第4週と早期に低下させました1。hBD-2濃度が最も低下したのは100 mg 1日2回投与で、この低下は第8週から認められました1。hBD-2濃度の低下は臨床効果を伴っており、このことはIL-17/IL-23軸が阻害されたことを示唆しています5,6,7。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのVice PresidentおよびImmunodermatology Disease Area LeaderであるLloyd Miller, M.D., Ph.D.は、次のように述べています。「中等症から重症の尋常性乾癬による影響は生活のあらゆる面で感じられますが、多くの患者さんは、注射剤に不安を感じ、経口治療薬を好むため、高度な治療を受けようとしない傾向にあります。NEJMに掲載された医師報告アウトカム、患者報告アウトカム、そして客観的バイオマーカーにおける一貫性のある試験結果は、有望なものです。承認されれば、JNJ-2113は臨床上のアウトカムとQOLのいずれをも改善する可能性があります」
Protagonist Therapeutics, Inc.とJanssen Biotech, Inc.とのライセンス提携契約に従い、2023年第4四半期には、ICONIC-LEADおよびICONIC-TOTALという2つの試験から成る、中等症から重症の尋常性乾癬を有する成人および青少年の患者さんを対象としたJNJ-2113のピボタル第III相ICONIC臨床開発プログラムを開始しました8。ICONIC-LEADは、中等症から重症の尋常性乾癬を有する患者さんを対象として、JNJ-2113の安全性および有効性をプラセボと比較検討する無作為化比較試験(RCT)であり、PASI 90、IGAスコア0または1、2グレード以上の改善が、有効性の複合主要評価項目です9。ICONIC-TOTALは、特殊な部位(頭皮、性器、及び/または手のひら・足の裏など)に中等症以上のPsOを有している患者さんを対象として、PsO治療薬としてのJNJ-2113の有効性および安全性をプラセボと比較検討するRCTであり、全体的なIGAスコアが0または1、かつ2グレード以上の改善を達成した患者の割合が主要評価項目です10。同開発プログラムにおけるその他の第III相臨床試験は、JNJ-2113の安全性および有効性をプラセボおよびデュークラバシチニブと比較検討するICONIC-ADVANCE 1およびICONIC-ADVANCE 2で、2024年第1四半期に開始される見込みです11。
FRONTIER 1試験の結果は、IL-23を介する他の疾患スペクトラムにおけるJNJ-2113の可能性を示唆しています2,12。当社は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を有する患者さんを対象としてJNJ-2113の安全性および効果をプラセボと比較検討する第IIb相ANTHEM-UC試験を開始しました12。
用語の説明:
a. PASIスコアは、PsOプラークに覆われた各部位の表面積とプラークの発赤、厚さ、鱗屑の重症度を評価します13。
b. IGAは、重症度を0から4までの5段階で評価するもので、0は皮膚病変なし、2は軽度、3は中等度、4は高度であることを示します1。
c. PSSDは、PsOの6つの症状(かゆみ、皮膚のつっぱり感、灼熱感、チクチク感、痛み)および5つの徴候(乾燥、ひび割れ、鱗屑、脱落/剥離、発赤、出血)の重症度を評価する患者報告型のツールです。40点以上の改善(低下)は臨床的に意義あるものと判断されます1。
d. Dr. Robert Bissonnetteはジョンソン・エンド・ジョンソンのコンサルタントを務めていますが、メディアに対する活動についての報酬は受け取っていません。
e. DLQIは、あらゆる皮膚疾患が日常生活に及ぼす影響を測定し、症状、感情、日常活動、娯楽、仕事/学業、人間関係/性、治療効果を評価します14。
FRONTIER 1(NCT05223868)について
FRONTIER 1第IIb相臨床試験(NCT05223868)は、JNJ-2113を1日1回経口投与する3つの用量と1日2回経口投与する2つの用量を評価した、無作為化、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照試験です1,15。同試験は、中等症から重症の尋常性乾癬を有する患者さんを対象としてJNJ-2113の有効性および安全性を評価することを目的に設計されました1。計255人の患者さんが6つの投与群(プラセボ[n=43]、25 mg/日[n=43]、25 mg 1日2回[n=41]、50 mg/日[n=43]、100 mg/日[n=43]、100 mg 1日2回[n=42])に無作為に割付けられました1。総試験期間は最長24週間で、その内訳は、スクリーニング期間が4週間、投与期間が16週間、安全性追跡調査期間が4週間でした1。
この試験の主要評価項目は、第16週時にPASI 75を達成していた患者さんの割合でした1。第16週時の副次評価項目は、PASI合計スコアのベースラインからの変化量、PASI 90およびPASI 100スコアを達成していた患者さんの割合、「医師による全般的評価(IGA)」スコアが「皮膚病変なし」(0)または「軽微」(1)となった患者さんの割合、第16週時の体表面積(BSA)のベースラインからの変化量、「Psoriasis Symptoms and Signs Diary(PSSD)」症状スコアのベースラインからの変化量、ベースラインのPSSD症状スコアが1以上であった患者さんに占めるPSSD症状スコアが0となった患者さんの割合、ベースラインの皮膚疾患特異的QOL尺度(DLQI)スコアが1を超えていた患者さんに占めるDLQIスコアが0または1となった患者さんの割合、「Patient-Reported Outcomes Measurement Information System(PROMIS-29)」領域スコアのベースラインからの変化量、PROMIS-29領域スコアがベースラインから5点以上改善した患者さんの割合、24週間までに有害事象および重篤な有害事象が認められた患者さんの数でした15。
尋常性乾癬(PsO)について
尋常性乾癬は皮膚細胞が過剰に産生され、炎症や鱗屑が生じ、かゆみや痛みを伴うこともある免疫介在性疾患です16。患者数は米国で800万人、全世界で1億2,500万人と推定されています15。PsOを有する患者さんの4分の1近くが中等症から重症とされています17。PsOを抱えて生きることは困難を伴う可能性があり、身体的健康だけでなく、精神面での健康、人間関係、生活におけるさまざまなストレス要因への対処などにも影響を及ぼす可能性があります18。
JNJ-77242113(JNJ-2113)について
JNJ-2113は、Protagonist Therapeuticsとジョンソン・エンド・ジョンソンとのライセンス提携契約に従い、共同で創製され、開発が進められています。ジョンソン・エンド・ジョンソンは、JNJ-2113を第II相臨床試験以降で開発するための、また広範な適応症に対する契約に従って実施された研究から得られた複数の化合物に関し、世界中で独占的に販売する権利を保持しています19,20,21。
現在開発中のJNJ-2113は、IL-23受容体を阻害するよう設計された初の標的経口ペプチドです2。IL-23受容体は、中等症から重症の尋常性乾癬およびIL-23を介するその他の疾患における炎症反応の原因となります3,4。JNJ-2113は1桁のピコモルの親和性でIL-23受容体に結合し、ヒトT細胞におけるIL-23シグナル伝達を強力かつ選択的に阻害することが示されています22。2017年にProtagonistとJanssen Biotech, Inc.との間で締結されたライセンス提携契約により、両社は次世代化合物の発見と開発に共同で取り組むことが可能となり、最終的にJNJ-2113につなげることができました23。
ヤンセンについて
ヤンセンが目指すのは、病が過去のものになる未来をつくることです。
治療が困難な病を過去のものとするために、科学の力で病に打ち克ち、画期的な発想力で多くの人々に薬を届け、真心を持って癒し、希望をお届けします。私たちはがん、免疫疾患、精神・神経疾患、心血管疾患、肺高血圧症、網膜疾患の分野で貢献ができると考え、注力しています。
ヤンセンに関する詳しい情報はwww.janssen.com/japan/をご覧ください。
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