※本プレスリリースは、3月8日に米国本社にて発表したプレスリリースの抄訳版です。必ずしも日本の状況を反映したものではないことをご了承ください。本資料の正式言語は英語であり、その内容及び解釈については英語が優先します。本資料(英文)については、こちらをご参照ください。
icotrokinraは現在開発中であり、現時点でいずれの国においても承認されておりません。
icotrokinraの試験結果が、尋常性乾癬の治療において新たな治療選択肢になる可能性を示す
1日1回の経口投与で皮疹消失と良好な安全性プロファイルの両方を提供し、尋常性乾癬の治療にパラダイムシフトを起こす可能性
第III相ICONIC-LEAD試験において、現在開発中のicotrokinraの投与を受けた中等症から重症の尋常性乾癬の患者さんの約半数が、24週時点で完全な皮疹消失(IGA 0)を達成
第III相ICONIC-ADVANCE 1&2試験において、icotrokinraは主要評価項目を達成し、中等症から重症の尋常性乾癬においてデュークラバシチニブに対して優越性を示した
これらの結果は、中等症から重症の尋常性乾癬において、生物学的製剤の注射剤に対する経口剤の優越性を検証するための初のhead-to-head試験開始へ
ペンシルバニア州スプリングハウス(米国時間2025年3月8日) – Johnson & Johnson(NYSE:JNJ、以下「J&J」)は、本日、包括的な第III相試験から得られたicotrokinra(JNJ-2113)の新たなデータを発表するとともに、尋常性乾癬において、生物学的製剤の注射剤ウステキヌマブに対する経口剤icotrokinraの優越性を検証することを目的とした初めてのhead-to-head試験の開始を発表しました。icotrokinraは、現在開発中のIL-23受容体を選択的に阻害する、ファースト・イン・クラスの標的経口ペプチドです。現在、中等症から重症の尋常性乾癬の成人及び12歳以上の青年期患者さんを対象とした臨床試験が進行中です。
第III相ICONIC-LEADa試験の解析結果は、2025年米国皮膚科学会(American Academy of Dermatology: AAD)年次総会においてlate-breaking演題として発表されました。本試験では、中等症から重症の尋常性乾癬の成人及び12歳以上の青年期患者さんを対象にicotrokinraを1日1回投与した結果、有意に高い皮疹消失と良好な安全性プロファイルが認められました1。
ICONIC-LEAD試験では、16週時点での治験担当医師による全般的評価(Investigator’s Global Assessment: IGA)b スコア0または1(皮膚病変なし/軽微)の達成率は、プラセボ群の8%に対し、icotrokinraの1日1回投与群で約3分の2(65%)であり、Psoriasis Area and Severity Index(PASI)c 90の達成率は、プラセボ群の4%に対し、icotrokinra投与群で50%でした(両評価項目ともP<0.001)1。24週時点においても皮疹の改善は維持され、icotrokinra投与群におけるIGA 0又は1の達成率は74%、PASI 90達成率は65%でした。24週時点でicotrokinra投与群の約半数の患者さんが完全な皮疹消失を達成し、IGA 0達成率は46%、PASI 100達成率は40%でした1。有害事象(AE)の発現率はicotrokinra投与群(49%)とプラセボ群(49%)で同程度であり、新たな安全性シグナルは認められませんでした1。
青年期患者集団を対象にicotrokinraを評価するICONIC-LEAD試験のサブグループ解析結果は、今後の学会において発表される予定です。
カナダ・モントリオールのInnovaderm Research社の会長であり、ICONIC-LEAD試験の治験担当医師を務めるRobert Bissonnette, M.D.dは、次のように述べています。「中等症から重症の尋常性乾癬の患者さんは、有効性と安全性、使いやすさを兼ね備えた治療選択肢を求めています。本試験の結果は有望であり、1日1回のicotrokinra投与により、完全な皮疹消失と良好な安全性プロファイルの両方を患者さんに提供できる可能性を示すものです」
またトップライン結果では、第III相ICONIC- ADVANCE 1 試験及び ICONIC- ADVANCE 2e試験において、主要評価項目(co-primary endpoints)である16週時点のプラセボと比較したIGA 0又は1及びPASI 90の達成率を達成したことが示されました。さらにicotrokinraは、中等症から重症の尋常性乾癬の患者さんにおけるデュークラバシチニブに対する優越性を、16週及び24週時点で評価した主な副次評価項目をすべて達成しました2,3。ADVANCE試験の肯定的な結果に基づき、J&Jは、生物学的製剤の注射剤ウステキヌマブに対する経口剤icotrokinraの優越性を検証することを目的とした初めてのhead-to-head試験となる第III相ICONIC-ASCENDf試験を開始します。これは、乾癬研究における重要な前進を示すものです。
J&J Innovative MedicineのVice PresidentでありImmunodermatology Disease Area LeadのLiza O’Dowdは、次のように述べています。「現在までに得られた良好な結果は、icotrokinraが中等症から重症の尋常性乾癬の治療に対する期待に変革をもたらす可能性を示しています。患者さんのためにイノベーションを推進するという弊社の継続的なコミットメントの一環として、IL-23受容体を選択的に阻害する、このファースト・イン・クラスの標的経口ペプチドの開発を進めていることを誇りに思います。この標的経口ペプチドは、尋常性乾癬に対する全身療法のファーストライン治療薬になる可能性があると期待しています」
詳細及びJ&Jが2025年AAD年次総会で発表したデータの一覧はこちらをご覧ください:
https://innovativemedicine.jnj.com/focus-areas/immunology/immudermatology-newsroom
用語の説明:
a. ICONIC-LEAD試験は、中等症から重症の尋常性乾癬の成人及び12歳以上の青年期患者さん684例(icotrokinra投与群=456例、プラセボ群=228例)を対象に、icotrokinraの有効性及び安全性をプラセボと比較評価する第III相無作為化比較試験(RCT)であり、主要評価項目(co-primary endpoints)は、PASI 90達成率及びIGAスコアが0/1かつ2グレード以上改善の達成率です。ICONIC-LEAD試験には66例の青年期患者さんが登録されました。
b. IGAは、重症度を0から4までの5段階で評価するもので、0は皮膚病変なし、1は軽微、2は軽度、3は中等度、4は高度であることを示します4。
c. PASIスコアは、各部位の乾癬病変範囲と重症度(紅斑、浸潤、落屑)を評価します5。PASI 90は、PASIスコアのベースラインからの90%以上の改善を示します5。
d. Dr. Robert BissonnetteはJ&Jのコンサルタントを務めていますが、メディア関連の活動に関する報酬は受け取っていません。
e. ICONIC- ADVANCE 1 試験及び ICONIC- ADVANCE 2試験は、中等症から重症の尋常性乾癬の患者さんを対象に、icotrokinraの有効性及び安全性をプラセボ及びデュークラバシチニブと比較評価する第III相RCTであり、主要評価項目(co-primary endpoints)は、PASI 90達成率及びIGAスコアが0/1かつ2グレード以上改善の達成率です。
f. ICONIC-ASCEND試験は、中等症から重症の尋常性乾癬において、生物学的製剤の注射剤ウステキヌマブに対する経口剤icotrokinraの優越性を検証することを目的とした、初の直接比較試験となる第III相無作為化比較試験(RCT)です。
ICONIC臨床開発プログラムについて
中等症から重症の尋常性乾癬の成人及び青年期患者さんを対象にicotrokinra(JNJ-2113)を評価するピボタル第III相ICONIC臨床開発プログラムは、 J&Jの子会社であるJanssen Biotech, Inc.とProtagonist Therapeutics, Inc.との間で締結されたライセンス提携契約に従い、2023年第4四半期にICONIC-LEAD試験及びICONIC-TOTAL試験という2つの試験から開始されました6。
ICONIC-LEAD試験(NCT06095115)は、中等症から重症の尋常性乾癬の患者さんを対象に、icotrokinraの有効性及び安全性をプラセボと比較評価するRCTであり、主要評価項目(co-primary endpoints)は、PASI 90達成率及び IGAスコアが0/1かつ2グレード以上改善の達成率です7。
ICONIC-TOTAL試験(NCT06095102)は、特殊な部位(頭皮、性器、及び/又は手足など)に中等症以上の尋常性乾癬を有する患者さんを対象に、icotrokinraの有効性及び安全性をプラセボと比較評価するRCTであり、主要評価項目は、IGAスコアが0/1かつ2グレード以上改善の達成率です8。
開発プログラムにおける他の第III相試験には、中等症から重症の尋常性乾癬の成人患者さんを対象に、icotrokinraの有効性及び安全性をプラセボとデュークラバシチニブと比較評価するICONIC-ADVANCE 1試験(NCT06143878)及びICONIC-ADVANCE 2試験 (NCT06220604)が含まれます9,10。ICONIC-ASCEND試験では、中等症から重症の尋常性乾癬の患者さんを対象にicotrokinraの有効性及び安全性をプラセボ及びウステキヌマブと比較評価します。ICONIC-PsA 2試験(NCT06807424)では、活動性乾癬性関節炎の患者さんを対象にicotrokinraの有効性及び安全性をプラセボと比較評価します。
尋常性乾癬について
尋常性乾癬は皮膚細胞が過剰に産生され、炎症や鱗屑が生じ、かゆみや痛みを伴うこともある免疫介在性疾患11です。患者数は米国で800万人、全世界で1億2,500万人と推定12されています。尋常性乾癬を有する患者さんの約4分の1は中等症から重症とされています。白色人種では銀白色の鱗屑で覆われた隆起した紅斑局面が生じることが多い13のに対し、 有色人種では局面はより濃く厚みを増し、紫色、灰色または暗褐色を呈することがあります12。乾癬は全身のあらゆる部位で発症しますが、頭皮、膝、肘及び体幹に好発します12。 尋常性乾癬の症状があることで、さまざまな困難を伴う可能性があり、身体的健康だけでなく、精神面での健康、人間関係、生活におけるさまざまなストレス要因への対処などにも影響を及ぼす可能性があります14。また、頭皮、手足及び性器などの非常に目に付きやすい部位や皮膚が敏感な部位に乾癬が生じると、生活の質に著しい影響を及ぼす可能性があります12,15。
icotrokinra(JNJ-77242113、JNJ-2113)について
現在開発中のicotrokinraは、IL-23受容体を選択的に阻害するよう設計された初の標的経口ペプチド16です。IL-23受容体は、中等症から重症の尋常性乾癬、潰瘍性大腸炎及びIL-23を介するその他の疾患における炎症反応の原因となります17,18。
icotrokinraは1桁のピコモルの親和性でIL-23受容体に結合し、ヒトT細胞におけるIL-23シグナル伝達を強力かつ選択的に阻害することが示されています19。2017年にProtagonist Therapeutics, Inc.とJanssen Biotech, Inc.との間で締結されたライセンス提携契約により、両社は最終的にicotrokinraにつながる次世代化合物の発見と開発に共同で取り組むことが可能となりました20。
icotrokinraは、ProtagonistとJ&Jとのライセンス提携契約に従い、共同で創製され、開発が進められています。J&Jは、icotrokinraを第II相臨床試験以降で開発し、本契約に基づき実施された研究から得られた複数の化合物の幅広い適応症に関し、世界中で独占的に販売する権利を保持しています21,22,23。
icotrokinraは、中等症から重症の尋常性乾癬及び活動性乾癬性関節炎を対象としたピボタル第III相ICONIC臨床開発プログラム及び中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎を対象とした第IIb相ANTHEM-UC試験において研究が進められています。
Johnson & Johnson について
J&Jは、健康こそすべてだと考えています。ヘルスケアイノベーションにおける私たちの強みが、複雑な病を予防、治療、治癒し、治療をよりスマート化した、低侵襲なものに進化させ、一人ひとりの患者さんに合ったソリューションを提供することができる世界を築く力になります。Innovative MedicineとMedTechにおける専門性を生かし、将来の飛躍的な進化に向けてヘルスケアソリューションの幅広い領域でイノベーションを推し進め、人々の健康に大きなインパクトを与えていきます。
日本におけるJohnson & Johnson Innovative Medicine について
J&J Innovative Medicine は、米J&Jグループにおける医療用医薬品事業の名称です。日本では、1978年の設立以来、これまでヤンセンファーマ株式会社として、患者さんの治療に貢献する多くの医薬品をお届けしてきました。私たちは、アンメットニーズに基づく開発戦略のもと、注力疾患領域―がん、免疫疾患、精神・神経疾患、心・肺疾患、及び眼疾患領域における学術及び情報提供活動を強化しながら、私たちの薬剤を必要とする全ての患者さんが適切なタイミングでベストな治療を選択するための活動を続けています。私たちは、今後も医療の未来を切り拓き、日本の患者さんに革新的な医薬品をお届けしていきます。
Johnson & Johnson Innovative Medicineに関する詳しい情報はinnovativemedicine.jnj.com/japan/をご覧ください。また、www.facebook.com/JanssenJapan/をフォローしてください。
将来に関する記述
このプレスリリースには、米国の1995年私的証券訴訟改革法で定義された「将来に関する記述」が含まれています。これらの記述は、製品開発及びicotrokinraの潜在的なベネフィット及び治療影響に関するものです。お読みの際には、これらの将来の見通しのみに依拠しないよう、ご注意ください。これらの記述は、将来の事象に関する現時点での予測に基づいています。
基礎となる前提が不正確であると判明した場合、あるいは既知もしくは未知のリスクや不確実性が現実化した場合、実際の成果は、Janssen Research & Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及び/又はジョンソン・エンド・ジョンソンの予測や見通しと大きく異なる可能性があります。
リスクと不確実性には、これらに限定されるものではありません。臨床的成功及び規制当局の承認取得の不確実性をはじめとする製品の研究開発に伴う課題や不確実性、商業的成功の不確実性、製造上の問題または遅延、競合他社による特許取得、新製品開発、特許に対する異議申し立て、製品回収又は規制当局による措置につながる可能性、製品の有効性又は安全性に関する懸念、ヘルスケア製品及びサービスの購入者の行動や支出パターンの変化、世界的な医療改革などの適用される法律や規制の変更、医療費抑制への動きなどが含まれますが、これらに限定されるものではありません。
これらのリスクや不確実性、その他要因の詳細と一覧については、最新のForm10-Kに基づくジョンソン・エンド・ジョンソンの年次報告書の「将来予測に関する記述に関する注意事項(Cautionary Note Regarding Forward-Looking Statements)」、や「リスク要因(Item 1A)」のセクション、またはジョンソン・エンド・ジョンソンの四半期報告書(From 10-Q)及び証券取引委員会へのその他の提出書類をご参照ください。
これら書類は、オンライン(www.sec.gov, www.jnj.com)でご覧いただくか、もしくはジョンソン・エンド・ジョンソン宛てにご請求ください。Janssen Research and Development, LLC、Janssen Biotech, Inc.、ヤンセンファーマ株式会社及びジョンソン・エンド・ジョンソンは、新たな情報や今後の事象・変化などに基づいて、将来予測に関する記述を更新する義務を負いません。
【本件に関するお問合せ先】
Johnson & Johnson Innovative Medicine
コミュニケーション&パブリックアフェアーズ部
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